石島洋一
第3回 損益計算書を分析する
損益計算書は「売上高」から始まり「当期純利益」で完結します。
この2点から、どのような経営分析ができるのかをご紹介しましょう。
PHPビジネス新書ビジュアル『「60分」図解トレーニング 経営分析』から一部抜粋して掲載します。
◆損益計算書は「売上高」からスタートする
会社は、商品やサービスを販売し、その対価を得て成り立っています。
商品を販売するステップには、①受注、②商品の引渡、③請求書発行、④代金受取などがありますが、どの段階で売上を計上するのでしょうか。
そんな細かなことはどうでもいいようにと思えますが、じつは会計にはきちんとしたルールがあります。今の会計のルールでは、売上の計上は、お客さんへ商品等を引き渡したときに行うのが原則です。
ここで注意すべきことは、売上の計上は現金の授受とは関係ないということです。売上をあげ、結果として利益が生まれたとしても、現金があるかどうかは別問題だということです。
もちろん、圧倒的に多くの場合、売った代金は問題なく入金されるでしょうから、売上や利益が多ければ、現金も多くなるのが普通です。しかし、利益があるからといって現金があるという絶対的保証はないのです。
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この連載について
石島洋一
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著者プロフィール
1948年神奈川県秦野市出身。一橋大学経済学部卒業。民間企業、東京都商工指導所、会計事務所勤務を経て、会計士事務所設立。公認会計士・税理士・中小企業診断士。現職は後継者の次男慎二郎氏(公認会計士)とともに経営する石島公認会計士事務所所長。中小企業の経営・経理を指導する他、ユーモアを交えた研修会講師としての評価も高い。
著書は、60万部を超えるベストセラー『決算書がおもしろいほどわかる本』(PHP文庫)ほか多数。『クロネコヤマト「感動する企業」の秘密』(PHPビジネス新書)は、会計人の域を出て、膨大な取材に基づくジャーナリスティックな内容で話題を呼んでいる。