晩酌歳時記

第四十八回・風呂吹

初詣では、今年もおいしいものをたくさん食べられますようにと祈願しました。そんな佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。三十年ぶりくらいで足の指に霜焼けができて、温かい料理がいっそう恋しいです。

 どこかで春がうまれてる、どこかで水が流れ出す……近所の幼稚園からそんな唱歌が聞こえてくる今日この頃。季節ごとに一つずつ自炊のレパートリーを増やすことをささやかな目標にしているのですが、今年の冬は風呂吹き大根を、どうやらマスターしました。
 煮るだけじゃん、とお思いですか? 私もかつてはそう思ってました。でも、かなり長時間煮ないと柔らかくならない、堪え性のない人間にとってはなかなか難しいです。米のとぎ汁で下茹でして吹きこぼれること数回、さすがにもういいだろと思って、だし汁に移し替えて、またひと煮立ち。柚味噌を添えて、さあいただきますって時に、中心部分で箸が止まる、口に入れても大根の苦みが残っている……なんてことを何度繰り返したことか。朝からコトコト、火をつけたり止めたりを繰り返して、ようやくほとほとにだし汁の染み渡った大根を口にした時は、しみじみ満足しました。
 しかしここで、大きな疑問が。
 風呂吹き大根は、おかずなのか、汁物なのか?

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晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

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コメント

kaorun6 cakesでこんな連載やってたのかー、知らなかった。この風呂吹きの記事いいなぁ。#つまみ365 の皆さんにもおすすめ。‖ 10ヶ月前 replyretweetfavorite