●特別企画
伊藤聡「およそ120分の祝祭」
ロボコップ ロボットと人の境界線
2014年最初の「およそ120分の祝祭」が取り上げるのは、ポール・バーホーベン監督の『ロボコップ』です。作中に見られる幾つもの境界線に着目して、この映画のユニークさなどが綴られています。ぜひ、ご一読ください! 今年はリメイクされた『ロボコップ』も公開される予定で、そちらも楽しみですね。
山形浩生「新・山形月報!」
第28回 ヤル気・ショッピングモール・ゴシック
今回の「新・山形月報!」も、スーザン・ワインチェンク『説得とヤル気の科学』(オライリージャパン)、イアン・エアーズ『ヤル気の科学』(文藝春秋)、鈴木信弘『片づけの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、近森高明・工藤保則編『無印都市の社会学 』(法律文化社)、若林幹夫編著『モール化する都市と社会』(NTT出版)、ジュディス・メリル編『年刊SF傑作選』シリーズ(創元推理文庫)、高原英理編『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』(ちくま文庫)、フラン・オブライエン『第三の警官』(白水Uブックス)など、多くの本が取り上げられています。他にも、カルロス・フエンテスの大著『Terra Nostra (我らが大地)』は気になりますね!
●連載
真山仁「〝政治の季節〟がやってきた——『コラプティオ』文庫化によせて」
『コラプティオ』序章——二〇〇一年春【後編】
東日本大震災直後の、2011年7月に刊行された真山仁さんの小説『コラプティオ』が、文庫化されました。震災後の日本の政治を描いたこの作品は、3・11からもうすぐ3年となる今こそよむべき一冊です。今回cakesがお届けする物語の序章の舞台は、震災から遡ること10年前。カリスマ政治家の演説に耳を傾ける白石望と神林裕太。中学で同級生だった彼らですが、演説に心酔する白石とは裏腹に、神林が抱いていたのは、挑戦的な野心でした。
海猫沢めろん「マンガは読書に入りますか?」
BLマンガの秘境 vol.3 もっと自由に萌えろ!アニメ『Free!』にみる“チーム男子”の世界
腐男子道のとば口で立ち尽くす海猫沢めろんさんが、道連れを増やしたい一心でお届けする、男性のためのBLマンガ入門シリーズ「BLマンガの秘境」。前回にひきつづき、金田淳子さんに、BLマンガの数ある魅力のなかから、男性にも響くのでは? というポイント別と作品を紹介してもらいます。今回は、夏に放映され、腐女子人気にとどまらず男性人気も高かった水泳アニメ『Free!』の話題も。男子高校生たちの青春をついつい楽しく視聴してしまったというあなた、自らも寄宿制の男子校で中学時代を過ごしたというめろんさんの感想を聞いてみませんか?
茂木健一郎 / 北川拓也「天才のつくり方」
【第35回】自分の人生の最高傑作を、何にするのか
テレビ出演や講演など、さまざまな場所で活躍している茂木さん。でも茂木さんは、世間の人は、そんなことを自分に期待しているわけではない、と吐露します。真に期待されていることとはなんなのか。自分を突き動かすコンプレックスとはなにか。人生の道に迷う人すべての参考になる、天才鼎談編の最終回です。
新城カズマ「15×24(イチゴーニイヨン)link one せめて明日まで、と彼女は言った」
パート3.せめて明日まで、と彼女は言った 在所 惟信[10:56]、左右田正義[11:01]
自殺したがってる同い年の男子生徒のために割ける時間は……、三秒だね。なんでかって? しょうがねーでしょ。当人が死にたがってんだから——とある大晦日、12月31日。高校2年生、徳永準の自殺予告メールがネットに流出しました。友人である笹浦耕は東京のどこかにいる彼を止めようと捜索隊を結成します。そこから始まる15人の24時間の物語。ライトノベル史上〈もっとも長い一日〉を味わってください。
松井博「IT時代の未来〜それはユートピアかディストピアか?」
創造力をどう伸ばす?(後編) IT時代の教育とは? 第10回
洗練されたデザインと大胆なアイデアにあふれた製品を発表し、世界的企業となったApple。その礎を築いたカリスマ、スティーブ・ジョブズにも、「マヌケなアイデア」や「どうしようもないアイデア」を提案してしまうことがあったと言います。いったい創造力とは何なのでしょうか? 今回は伸ばし方よりも、むしろ、創造力を壊さずに育てられるかを考えてみました。
山内宏泰「どこより早い展覧会案内——アート・コンシェルジュからの便り」
「クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美」——日本人の知らなかった「日本らしさ」
企画展にはさまざまな国の美術品がやってきますが、ときには海外で収蔵されていた日本美術の“逆輸入”が行われることもあります。「別に日本にあるものを見れば十分なんじゃ……」とお思いかもしれません。しかし、実は海外コレクションのほうが、日本人が見逃していた日本美術の価値を守ろうとした海外収集家たちの尽力により、充実したラインナップになっている場合が多々あるのです。今回もそんなコレクションのひとつが海を渡り、上野・東京国立博物館で「クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美」が開催されています。“里帰り”してきた名品たちをながめながら、海外の文化人が愛した「日本らしさ」にふれてみませんか?
横山光昭「家計再生コンサルタントの本音」
【第2回】使うときには「正しく使う」が極意
お金は、現在の、または将来の“得”へとつながるもの。しかし、そのためには「正しく使う」ことが必要になります。自らその“得“を逃してしまうようなお金との付き合い方は今すぐ辞めなければなりません。行動だけ見ていると同じでも、得する付き合い方と損する付き合い方では、その人の内面や考え方がまったく違っているのです。
渡邊有紀 / 喜多村みか「TWO SIGHTS PAST」
TWO SIGHTS PAST #85
2000年頃より写真家の喜多村みかさんと渡邊有紀さんが互いを被写体として写真におさめている作品「TWO SIGHTS PAST」。今回は、2007年頃に撮影された写真から。