晩酌歳時記

第四十七回・餅

初詣では、今年もおいしいものをたくさん食べられますようにと祈願しました。そんな佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。お正月のお餅、余っていませんか? 私はこうして食べきります。

 ちょっと前に自民党のCMで安倍現総理が「日本を取り戻す!」と繰り返していた時、「それってどの日本?」と内心突っ込んだ人は多いと思います。私もその一人でした。
  餅焼くや俺は日本を捨てられず
 この「日本」は、わかる気がするんですね。なんでだろう。
 角川春樹さんがコカインの密輸容疑で服役して、出所した後に作られた句です。日本の国家権力が自分を捨てたとしても、自分は日本を捨てることができない、という意味合いも、おそらく込められているんだと思います。だから実際には、わかるような気がするだけで、わかると言ってはいけないのでしょうけど。
 お餅のない正月なんて想像できない、私も日本人だなあ。それだけで共感できてしまう。良い俳句って、そういうものなのでしょう。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

初回を読む
晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント