第34回】2014年の国際政治を大予想!? 勝ち馬と負け犬、それぞれ5人を独シュピーゲルが発表

お正月にネットサーフィンをしていたら、シュピーゲルのオンラインのページに面白い記事を見つけた。2014年の国際政治の勝ち馬と負け犬の予想だ。どちらも5人ずつ挙がっている。


前途多難なプーチン大統領 〔PHOTO〕gettyimages

お正月にネットサーフィンをしていたら、シュピーゲルのオンラインのページに面白い記事を見つけた。2014年の国際政治の勝ち馬と負け犬の予想だ。どちらも5人ずつ挙がっている。

負け犬:第1位

まず敗者の筆頭がプーチン大統領。国家と自らの面目を懸けたソチの冬季オリンピックが失敗に終わるだろうという予想だ。工事の最中から環境破壊やら建設労働者の人権無視などという批判は出ていた。そのうえ、直前になってのコーカサス地方の無差別テロ。これらの前哨戦だけを見ても、確かに成功とは言えないかもしれない。ガスと石油の値は崩れ、国家経済は火の車に。そして、外国からの投資も潮が引くように遠のいていくとか。

そういえば、去年の末、かつての財閥であり、しかも、政敵であったホドルコフスキー氏に恩赦を与えたことも裏目に出た。ホドルコフスキーは、釈放されたその日のうちにドイツ政府のおぜん立てでベルリンに飛び、反プーチン勢力と結託した結果、西側社会での反プーチンの機運は高まるわ、ロシア国内でも反プーチン勢力が力を伸ばすわ、ソチのオリンピックを訪れることをボイコットする政治家が出始めるわで散々だ。

さらに、ウクライナは激しい民主化運動のため、プーチンの手からするりと抜け落ちそうな気配だし、中央アジアでのロシアの影響力にも、中国の台頭でひび割れが入り始めている。負け犬ナンバーワンの予想、根拠がないわけではなさそうだ。

負け犬:第2位

2人目はトルコのエルドアン首相。去年の末、トルコの内閣は、贈収賄スキャンダルで激しく混乱した。政治家やらその周辺で50人以上が、職権乱用や、収賄の疑いで拘束され、閣僚の息子なども逮捕された。スキャンダルの主役は、自分の党である公正発展党(AKP)だったため、エルドアン首相は、即刻、閣僚の半分近くの首を据えかえた。

このスキャンダルの裏には、しかし、いろいろ複雑な事情がありそうだ。エルドアン氏は盛んに「陰謀だ」とか、「外国からの介入だ」とか言っており、初め、何を意味するのか分からなかったが、これは、フェトフッラー・ギュレンという、アメリカに亡命中のトルコ人を指しているらしい。


エルドアン首相 〔PHOTO〕gettyimages

ギュレン氏はイスラムの強化を唱えている宗教指導者で、なぜか大資産家。トルコ内の礼拝所や宗教学校、貿易会社、教員養成大学などを通じて、絶大な影響を行使しているという。トルコ国外にも、宗教大学や高校、トルコ語学習センター、大学予備校を経営し、14の雑誌を発行し、2つの全国ラジオ放送局と衛星テレビ局などを持つ。

あまりの影響力の強さに、最近、エルドアン氏がギュレン氏の傘下にある私立学校を閉校したことで、緊張が増大した。しかし、トルコで最も読まれている新聞もギュレン氏の支配下にあるという。

また、エルドアン首相の敵は超保守グループだけではなく、ゲジ広場では、夏以来、学生や市民のデモが絶えない。つまり、リベラルと保守の挟み撃ちに遭っているわけだ。そして、今年は市町村選と大統領選の年。波乱万丈はこれからも続きそうなので、負け犬になる可能性は確かに高い。

負け犬:第3位

3番目は、ブラジルの大統領、ジルマ・ルセフ氏。こちらも市民デモが荒れ狂っている。ブラジルでは中間層の能力と要求が高まってきており、すでにごまかしは利かない。さらに、ルセフ大統領はエルドアン首相やプーチン大統領ほどの権威(独裁性?)はないので、これからも、妥協に妥協を重ねなければいけない可能性は高い。

それに、国民の意気を一つにまとめようとしたサッカーのワールドカップでさえ、支持を得られていない状態。それどころか、11月末には、開幕戦が行われるはずだったサンパウロのスタジアムで大型クレーンが倒れ、屋根が破壊され、死者まででた。そうでなくても遅延している工事なのに、竣工の見通しは立たず。負け犬の要素は十分にありそうだ。


カルザイ大統領 〔PHOTO〕gettyimages

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シュトゥットガルト通信

川口マーン惠美

シュトゥットガルト在住の筆者が、ドイツ、EUから見た日本、世界をテーマにお送りします。

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