晩酌歳時記

第四十六回・七種粥

初詣では、今年もおいしいものをたくさん食べられますようにと祈願しました。そんな佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。七日はうっかりとんかつを食べてしまって、七種粥は八日にいただきました。

 子供の頃はお正月が来るのが憂鬱でした。せっかく一年終わったのにまた始まるのかという倦怠感。色々な人にちゃんと挨拶しなくちゃという緊張感。そしておせち料理って、どう考えても子供の口には合わないですよね。冷たいし、脂っ気がないし、こっくり濃い目の味付けも苦手でした。母親が手間隙かけてこしらえている様子を見ると、「好きじゃない」とは言えなかったけど。
 今こそ、はっきり言っておきます。お雑煮が唯一の救いだったと。そして、今だからわかる。おせち料理とは結局、酒のつまみなのだと。
 重箱に詰められた品々のなかから、まずは数の子と青豆を取り皿にとって、お酒をちびちび。昆布巻きなんて、一切れで一合余裕でいけます。子供の頃から唯一好きだった松前漬けも、やっぱり酒に合う。口の中がもったりしてきたら、紅白なますでさっぱりリセットして、数の子から再スタート。実家では日本酒を飲むのは私だけなので、家族が小一時間で食事を終えた後も、ちまちま、ちびちび飲み続けます。いい加減にしなさいと言われる寸前、〆にいただくお雑煮もまた格別。いやーほんと、あの頃酒が飲めたらなあ。

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晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

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コメント

IAmemiya 「今だからわかる。おせち料理とは結局、酒のつまみなのだと。」新年初回の更新はおせちと七草粥を巡る話です!→ 4年以上前 replyretweetfavorite