パート5. 大人はわかっちゃ… 徳永準[13:17]私市陶子[12:46−]三橋翔太[12:50−]

そうだ。あれは恐怖だ。まだ生きていかなくちゃならない、その恐怖。〈明日〉という恐怖――高校2年生、徳永準の自殺予告メールがネットに流出しました。頭脳派、お人好し、リーダー気取り、犯罪者まで入り乱れて彼と彼を導く殺人鬼(?)〈17〉に迫ります! 15人24時間の大晦日から始まる群像サスペンス長編、link oneに引き続きこっからが本番! 読みはじめたら止まれない、ライトノベル史上〈もっとも長い一日〉をご堪能ください。(イラスト:箸井地図)

徳永準[13:17]

 ぼくの中で、なにか別の生き物が動いてるみたいだ。
 あれはいったい何だったんだろう。まるで車酔いとインフルエンザがいっぺんに襲ってきたみたいな。伊隅の顔を見て……でもあいつのせいじゃない。そして、ぼくはやっと自覚する。
 連想だったんだ。伊隅。クラスメート。学校。日常。ぼくが、もう帰らないって決めた場所、捨てた時間。
 恐怖。
 そうだ。あれは恐怖だ。
 まだ生きていかなくちゃならない、その恐怖。変えようのないことが終わらない、終わってくれないという恐怖。
〈明日〉という恐怖。

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私市陶子[12:46−13:25]

 さて、そうは言いましても、責任は責任です。
 たとえ望まずに与えられた分担であっても、きちんとこなさなければ周りの人たちに迷惑をかけてしまいます。ですから、私は離れで電話番を務めることにしました。もっとも、かかってきましたのはササウラさんだけだったのですが。
 しばらくしますと、母屋おもやのお手伝いさんからインターホンで連絡がありました。正門のほうに一人、〈捜索隊〉に参加している者だが中に入れてほしいと言っていますがどうしましょう、とのことです。もしかしてササウラさんかしら、それにしてはずいぶん早いけれど、と思いましたけれど、断る理由はありません。
「はい、わかりました。それではこちらに」
 お手伝いさんは、胡乱うろんな者を相手にするような口調で、それじゃ後はよろしくお願いしますよ、わたしはよくわかりませんので、とおっしゃいます。
 インターホンで案内をしまして、玄関にむかいます。しばらくして男の方がひとり、木陰から姿をあらわしました。
 とても体の大きな方でした。

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15×24(イチゴーニイヨン)link two 大人はわかっちゃくれない

新城カズマ

高校2年生、徳永準の自殺予告メールがネットに流出しました。彼を救うべく懸命に彼を探す捜索隊、否応なしに巻き込まれる者、別の思惑を抱くもの、そして殺人鬼まで……!? 15人24時間の大晦日の長編群像サスペンス、こっからが本番です! 読み...もっと読む

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