第1回】お金のツボを知っているから言えるホンネ

“家計再生コンサルタント”と自ら名称を作り、15年近く活動を行ってきた横山光昭さん。これまでに多数の書籍を刊行し、NHK「あさイチ」などのメディアにも出演して、さまざまな立場の人にお金の使い方をアドバイスしてきました。そんな横山さんが活動の中で感じたことなどやメディアでは話せなかった裏話を、「お金」に直接かかわることに限らず、本音ベースで展開していきます。今回は1年の最初にふさわしい「目標」の話から。横山さんが考える、目標を考えるときに忘れてはならないこととは?

浪費家時代を反面教師に

家計やお金のことは何でも分かっているというような顔をして、テレビに出演したり、書籍などを執筆している私だが、本当のところはどうなのか? そう勘ぐる人も少なくないだろう。

実は私は、いつもお金を使うことばかり考える「貯められない」タイプの人間だ。昔から、まったく貯金のできない浪費家なのだ。

過去には、かなりの額の借金を作ってしまったこともある。経営者としての事業上の借金ではなく、収入に不相応な支出を繰り返したためにできた、タチの悪い借金だった。クレカ(クレジットカード)のキャッシング(現金借り)やリボ払い(リボルビング)を使い、「投資」だと称して、交際費や人件費、交通費をふんだんに浪費していた。

お金に弱い人の「ツボ」を知るからこそ

そんな私がなぜ“家計再生コンサルタント”などと称し、家計のアドバイスをする活動をしているのか?

一言で言えば、自分自身が「お金に弱いから」だ。弱いからこそ、お金に弱い人の「ツボ」が痛いほどに分かる。ノウハウや情報の提供という面よりも、貯められない人の「気持ち」が理解できることのほうが、コンサルタントとしての資質にプラスになっているのではないかと思う。

事業の創業時にも投資と称し、過分にお金を使ってしまった。とはいえ、半分言い訳かもしれないが、そのときに誤ったお金の使い方をしてしまったからこそ、正しい使い方が見えたとも言える。偏った使い方をしたからこそ、本当の投資とは何かを見定められるようになった。そう自負している。

実務をこなしているからこそアドバイスできる

この連載では、このような経歴の私だからこそ書ける、日々の家計相談から感じたリアルな本音を書かせていただこうと思う。日々相談をいただく中で、共感できることや感心すること、そもそもの考え方や人生との向き合い方に問題があるのでは? と感じることなど、様々な気付きたくさん得てきた。この連載では、そうやって得た気付きをを多くの人と共有することで、自分自身の「お金との向き合い方」について考えるきっかけにしてもらいたいと考えている。まじりけなしの本音を書かせてもらうため、反発を感じる人もいるかもしれないが、等身大で進ませていただきたい。

もう一つ言っておくと、私は間違っても作家やタレントではない。コンサルタントだ。個別で行なう、家計相談を受けるのがメイン業務である。書籍も30冊ほど出し、メディア対応も行なっているので、勘違いもされることもあるのだが、メディアでの情報発信はサブ業務であり、本業である個別相談の経験からの派生としてやっているだけにすぎない。

余談だが、私が嫌いなファイナンシャル・プランナーに、メディアなどには出ているのに、個別の相談業務はほとんどしないというタイプがいる。人の声を聞かずに、上から目線で「お利口さん」の正論をかざすのは、かなり薄っぺらいヤツがすることだと私は思っており、こういったファイナンシャル・プランナーを私は「軽蔑」している。だからこそ、自分の連載では地に足のついた内容を執筆することを心がけたい。

どうぞよろしくお願いいたします。

目標を立てるか否かを悩むは愚問

さて、さっそくお金のことを少し。

新しい年が始まったが、まずはこの時期、ぜひ頭をフラットにして、お金の面で、何か実行してみたいことを考えてみてほしい。「今年は貯金を最低でも50万円増やしたいな」「夏には沖縄旅行に行くか」などと、目標は、なるべく詳しく思い描く。「いつまでに」という期限と、貯金であれば目標金額まで、具体的に考えてみてほしい。

こう言うと、「目標をたてた方がよいのはなぜなのか」という質問を受ける。先ほど触れたように、私自身、「お金を貯めよう」という意志が弱いタイプなので、無意識のうちにきちんとお金が貯まっていく状況があまり想像できないのだ。だから目標を具体的に立てることをすすめている。そして、たとえ特に意識せずともお金を貯めることができる人であっても、目標があったほうが、お金がたまるスピードは上がることを、コンサルタントとしての経験から知っている。

好きなものを自由にして楽しむ目標

ちなみに、私の今年の目標は、妻からの援助を受けずに、自動車の買い替えを秋までに済ませることだ。昨年は、投資した株式が大きく成長した上に、積み立ててきた投信がある程度貯まったので、少し高級な車を買ってみた。しかしその車が、どうもパワー不足で好きになれない。車を売って得たお金にヘソクリなどで貯めたお金を追加して、ランクアップした車に買い替えたい。そのための目標金額も設定済だ。

このように自分の思っていることを、やや漠然としていてもいいから、思い描いてみることを提案したい。思い描いている目標に「楽しさ」も加わっていると、なおのことよいだろう。それでは。

ケイクス

この連載について

家計再生コンサルタントの本音

横山光昭

家計再生コンサルタントとして過ごした15年近くの日々。ファイナンシャルプランナーとしての一面を持ち合わせながら、借金だらけの家計から、貯金を作りたい・増やしたいという家計まで幅広くサポートしてきました。その経験から、感じたこと、考えた...もっと読む

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