日高理恵子展」—空との距離に身をゆだねて

長年、一貫して木立を見上げるアングルの絵画を描き続けている画家・日高理恵子さん。現在、清澄白河で行われている彼女の展覧会には、木々の絵画ばかりが並んでいます。それらは、一見すると木立を下から構えたシンプルな構図なのですが、 じつは画家の緻密な計算が潜んでおり、観る者の視線をコントロールします。 鑑賞するうちに気づくのは、人間と空との間に存在する心地よい距離感。年末の忙しさのなか、自然が生み出す静謐な空間に、あえて身をゆだねてみませんか。

地下鉄の清澄白河駅を出て辺りを見渡すと、直線的な道の両脇に、古いけれどよく手入れされた雑居ビルや店舗、一軒家がずらり。街の全体から、東京の下町風情が色濃く漂ってきます。

そんな界隈を歩いていきますと、上階にいくつものギャラリーが集まっている大きな建物にぶつかります。最上階の7階に入居しているのは、小山登美夫ギャラリー。いまここで開かれているのは、「日高理恵子展」です。

メインの展示室へ足を踏み入れてみれば、いきなりテラスにでも出てしまったかと思うような、開放的な雰囲気に包まれます。壁には、大きな樹木の幹と枝を描いた絵画が、幾枚も連なっていて、

「ああ、自分はいま、深い林に分け入って空を見上げているんだ—」

思わずそんな錯覚に陥ってしまいます。

日高理恵子は長年、一貫して木立を見上げるアングルの絵画を描き継いでいます。今回の展示作もそう。連作シリーズ「空との距離」のうちの、新作ばかりが掲げられています。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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_k18 今週の記事は小山登美夫ギャラリーの日高理恵子展ですご確認ください 約4年前 replyretweetfavorite