晩酌歳時記

第四十四回・葱

家族の中で酒飲みは私だけ。年末年始、酒は一升瓶で持ち込むか、四合瓶で遠慮しておくか、悩ましい。そんな佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。関東育ちなので葱と言えば長ねぎですが、最近は近所でも九条ねぎが手に入るようになって嬉しい限り。

 目が覚めたら、なんだか喉がいがらっぽい。イカン、これは風邪のまえぶれだ。よし、今日は葱を食べよう。今まで一度に食べたことがないくらい、どっさり食べよう。えーと、葱料理って何があったかな……。この季節、布団から出にくい朝は今日食べるもののことを考えて自分を奮い起こすのですが、この日はなかなか出られませんでした。そう、これという葱料理が思い浮かばなかったのです。
 汁ものや鍋ものには大体いつも入れる、麺類に載せたり、炒め物に入れたり、薬味にしたり、年中何かとお世話になっている。じゃがいもや玉ねぎでさえ、ストッカーを開けて「あ、ない」ということがあるけれど、葱だけは欠かしたことがない。トマトや茄子はダメにしたことがあるけれど、葱だけは腐らせたことがない。なくなりそうになったら自然と買い足し、いつの間にかなくなっている。最も身近な食材であるにも関わらず、葱が主役の料理は作ってこなかった!

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晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

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poohworld723 今日葱かって帰ろうかな~ 約4年前 replyretweetfavorite