不老不死はコンプレックスに入りますか?

「人はコンプレックスをバネにしてがんばれる」。よく聞く言葉です。しかし、人間の心を蝕み、ネガティブな感情を植え付けるのもまたコンプレックス。多くの人が抱えるコンプレックスを、phaさんが持たずにいられる理由とは、一体なんでしょうか。

よくネットで炎上することで有名な起業家の家入一真さんに初めて会ったとき「phaさんはコンプレックスって何かありますか」って聞かれた。

その時は「コンプレックス……? なんだろう、思いつかない……、うーん、あ、自分が不老不死じゃないことかな」って思ったんだけど、一般的に不老不死じゃないことをコンプレックスとは言わないな、と思い直して、「特に思いつかないですね……」と答えた。

家入さんはよくコンプレックスを持つことの強みについて語っている。家入さん曰く、「ダメな人間やコンプレックスを持っている人間ほど面白い」「人を面接するときはその人のダメなところやコンプレックスについて語ってもらう」「コンプレックスは抱えずにさらけ出せば逆に武器になる」などなど(参考)

確かにそうなんだろうと思う。家入さん自身がそうやって成長してきたんだろうし、コンプレックスを抱えてそれをバネにして精力的に頑張っている人はたくさんいる。別に最近に限ったことじゃなく、昔から偉人伝にはコンプレックスの話がつきものだ。豊臣秀吉は貧しい家の出身だったとか、豊臣秀吉は背の低い小男だったとか、豊臣秀吉は右手の指が六本あったとか。

そして、僕が毎日あんまり何も頑張る気がしなくて、大して野心もなく、お金はあまりなくていいから一人でひっそり本でも読んで暮らしてたい、と思うのも、何か行動するときの原動力となるコンプレックスをあまり持っていないせいかもしれない。

そんなことを言うと「自意識があまりないんですね」って言われたりもするんだけど、果たしてそうなんだろうか。僕は自分のことは凄く好きだし凄く気になるけど、他人のことはあまり興味がない。他人のことはどうでもいいから、どうでもいい他人に自分がどう思われようがあまり気にならないのだ。

と説明すると「普通は自意識というのは他人の評価を気にすることを言います」って言われた。そういうものなのか……。僕にはよくわからない。みんなそういう風に生きていたのか。人生というゲームにおいて、みんなは自分とは別ゲーを遊んでいたんだなって思う。

何故自分はコンプレックスをあまり感じないのかというと、ぬるい環境でそれほど不自由なく育ったせいかもしれないし、大人になってからも低収入ではあるけどまだギリギリに窮乏したことがないせいもあるかもしれないし、他にもいろいろ友人関係など周りの環境に恵まれてるせいかもしれない。

しかしそうしたこと以前に、自分は「他人と自分と比べる」ということが本質的に分かっていない気がする。

例えば鳥にコンプレックスを感じるだろうか。鳥を見ると「空を自由に飛べていいなー」って憧れたりするけれど、自分が飛べないことをコンプレックスとして感じたりはしない。亀の甲羅の固さとか海老の赤さとか象の巨大さとか屋久杉の長命さにもコンプレックスは感じない。それと全く同じで、他の人間にコンプレックスを持つということが分からない。

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「日本一有名なニート」として知られ、日本全国から海外にまで進出しているシェアハウス「ギークハウス」の発案者でもあるphaさんのエッセイです。phaさんが日常の中で発見したものやことを、独特の浮遊感ある文体で紡ぎます。(不定期更新)

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コメント

eettmmaa  なんだよこれ。 3年以上前 replyretweetfavorite

nu36 “別に友達が自分より偉く見えようが見えまいが、それとは関係なく花を買ってきて妻といちゃいちゃしてたらええやん。” 4年弱前 replyretweetfavorite

tomo3141592653 よく分かる。他の人と自分を比べるという発想がまず理解できない。 4年弱前 replyretweetfavorite