晩酌歳時記

第四十三回・おでん

家族の中で酒飲みは私だけ。年末年始、酒は一升瓶で持ち込むか、四合瓶で遠慮しておくか、悩ましい。そんな佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。私が生まれるよりも早く、コンビニがおでんを売り出していたことを知って、軽く衝撃を受けています。

 身近でありながらよくわからない食べ物、それがおでんです。
 思えば、子供の頃からよくわからなかった。仕事から帰ってきた母親に「今日の夕飯なに?」と聞いて、「おでんだよ」と言われた時、テンションを上げていいのか下げていいのかわからない。おでんの種の中ではちくわ麩、特に二日目のほよほよに溶けかかったちくわ麩が一番好きだけど、ありがたみを感じるにはどうも残り物感が漂う。
 今更ですけど、なんでコンビニでおでんを売っているんでしょうか。売れるから置いているんでしょう、私も食べたことがあります、おいしいですよね。地域ごとに出汁や種を工夫しているそうで、何かのドキュメンタリー番組で開発者の話を聞いたときは、「熱いな」と思いました。でもちょっと待って。みんなそんなにおでんが好きなのか? おかずなの、それともおやつなの。店員さんだって、レジを打つ合間にお玉で汁を掬ったりするより、おでん専門のチェーン店をやった方がよくないか。そもそも牛丼や立ち食いそばのチェーンはあるのに、なぜおでんのチェーン店はないのか。疑問は尽きません。

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晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

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コメント

mayanomi わーい好きなおでんの具(とその加減)が一緒だー(*^^*)そうかおでんは雰囲気込みで食べるものなのか… 5年弱前 replyretweetfavorite

IAmemiya 今日の晩酌は、おでん!“@cakes_news: 塩と脂をこよなく愛する三十路女子、煩悩まみれの俳句道。|” 5年弱前 replyretweetfavorite

agyrtria そういえば寒い時期の吉祥寺駅前の屋台おでんが好きだったな。そう雰囲気で酒を呑むのにピッタリだった⇒ 5年弱前 replyretweetfavorite