左右田正義(ソウダ マサヨシ) [09:01−09:32]
まさしく
徳永とかいうやつの自殺が、じゃない。協力するって返信してきたやつらの交通整理のほうだ。
実を言えばノブからの第一報の直後、おれは即座に友人たちに転送してた。じつに的確な判断だ。
状況の説明と、自殺予告の本文。書きかけっぽいところはちょい修正して、全体的に、もっときちんとした『助けを求める予告』っぽくしておいた。
みんな
これまでありがとう
永遠にさようなら
今日でおわかれです
ぼくはこのままでは壊れてしまいます
だれかが支えてくれなければ
なんでって、そのほうが協力者が増えるからだよ。緊急時なんだから、人数は多いほうがいいに決まってる。で、それを束ねるのがおれ。指示を出すのは一人に集中させる、これ常識。
まずうちのクラスの二十人、それから中学ん時の仲間で信頼できそうなやつら。そしたら半分ぐらいは、
──なんかのイタズラじゃねえの?
って、すぐに返信がこなくなった。なんて薄情なやつらだ。基本的な『公』の精神がなってない。こういう手合いが日本をダメにするんだ。都内の一流エリート高でこれだもんな。犯罪が増えるわけだよ。
他にも、
──警察に連絡したほうがいいんじゃない?
とか言ってる奴らも。バカか。警察なんか信用できないつーの。ただでさえ年末は人手が足りないんだし。それに、おれたちで事件を解決するんじゃなきゃ、ヒーローになれないだろ。適当な理由をつけて『警察には言うな!』と返信しまくった。