システムを変えるのは「一人の天才」
終身雇用・年功序列制がもたないことはよくわかった。
もはや人海戦術や物量作戦は通用せず、純粋な「質」のみで勝負しなければならないことも、業界1位だけが生き残る時代に突入したこともよくわかった。
それでは、どうすれば業界1位になれるのだろうか?
キーワードは「天才」である。
数の論理で動く年功序列制は、天才を排除するシステムだ。
個人であることよりも集団の一員であることが求められ、飛び抜けた天才は「集団の和を乱す異物」と見なされる。そのため、天才が自身の才覚を活かそうと思ったら、会社を辞めて起業する以外になかった。優秀な人材は会社に残るものの、天才レベルの人材は外部に流出していくのだ。
これは、年功序列制が持つ構造的欠陥だった。
せっかく熱意と画期的なアイデアを持ちながらも、資金や既得権益の壁にぶつかって挫折していく若手起業家は多い。大企業なら実現できたはずの新ビジネスが毎日のように消え、可能性の芽が摘まれている。
これは、起業した個人にとっても、そして社会全体にとっても不幸なことである。
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