マインドセット」が行動を激変させる—中西哲生×西内啓 対談4

11月の欧州遠征では素晴らしい活躍をみせた日本代表。来年のブラジルW杯に向けて、さらに期待が高まります。そんな最中、『日本代表がW杯で優勝する日』(朝日新書)の著者である、スポーツジャーナリスト・中西哲生さんと、cakesの連載『統計学が最強の学問である』でお馴染みの、統計学者・西内啓さんの熱いサッカー対談が実現しました。第4回は、とあるアメリカの心理学者の話から、選手の成長の鍵を探ります。どうすれば日本代表は、W杯で優勝できるのでしょうか?

ストレスを力に変える

中西哲生(以下、中西) セルフコントロールに近いところでいうと、僕が長友佑都選手とこの何年間か付き合ってきて、彼が圧倒的に優れてるなと思うところがあるんです。それは何かと言うと、彼は「ストレスが成長の糧」なんですよね。

西内啓(以下、西内) ストレスが?

中西 たとえば、スポーツ選手にとって1番つらいのって恐らく怪我です。でも、彼は怪我をしても、「今まで取り組めなかった自分自身の弱点に取り組む時間ができたんで、またこれで成長するチャンスになります!」って言うんですよ。ちょっと変わってるなって(笑)。

西内 あはは。それは変わってますね(笑)。

中西 僕は「ストレス状態=成長するチャンス」ということを長友選手から学んで、それを日々意識しています。たとえば、「ああ、この服たたむの面倒臭いな」って思った瞬間に、それはストレスじゃないですか。だからまず服をたたむんです。ストレスになった瞬間、そのストレスになるものに取り組むようにしていると、前頭葉に体力がついて、どんどん目の前の問題点を先送りしないようになるんです。

西内 それもセルフコントロールですね。

中西 そうするようにしてから、毎週抱える原稿も締め切りギリギリに書かなくなりました。前頭葉に体力がつけば、経験と知識はうまく使えるんだと実感できました。

西内 セルフコントロールの話と関連して、マインドセット、要するにいつも考える習慣みたいなものが、いろんなものを制御してるっていう話もあって。

中西 マインドセットですか。

西内 ハーバードの心理学者の方が冗談っぽく本に書いてた(※)ことがあってですね。その彼が、『グランド・セフト・オート』という、自動車泥棒したり強盗したりする暴力的なゲームにハマりまくったらしいんですよ。それである時、「今お金ないな〜、あの車盗めばいいかな」みたいな感じについ考えてしまうそうなんです。ものすごく偉くなって、そんなことする必要なんてないのに、です。ただ、そのあと彼は「いかんいかん」と思い直すんです。
※『幸福優位7つの法則』ショーン・エイカー

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日本代表がW杯で優勝する日—列強に打ち勝つための提言

中西哲生

私たちは死ぬまでに日本代表がワールドカップトロフィーを掲げる光景を目の当たりにできるのか? その問いに確信を持ってイエスと答えるのが、テレビ朝日系「Get sports」などで論理的なサッカー解説でおなじみのスポーツジャーナリスト・中...もっと読む

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コメント

eminem0710 マインドセットの話でいうと長友とおれは真逆。ストレスを避け続けてきた人生。 約4年前 replyretweetfavorite

jounetsujapan マインドセットというよりは思考習慣 約4年前 replyretweetfavorite