※「フェル先生のさわやか人生相談」は、noteの定期購読マガジン「週刊フェル」にお引越ししました。詳細は記事の最後をお読みください。
対面人生相談は、新宿繁華街にあるフェル先生行きつけの居酒屋で行われた。
フェル いいことを教えてあげましょう。さわやかに物事を考えられる奴なんて世の中に一人もいない。
S えっ……。
フェル 俺だって、人のことだから何でも言えますけど、自分のことに関してはなかなか決められませんよ。週に5本以上も〆切がある。でも本業である会社の仕事はきちっとやりたいし、女性にも会いたいし……って毎日もがき苦しんでいます。でも、そんなことを周りに言っても誰もおもしろくも何ともないでしょ。
S フェル先生はさわやかに考えられないときにどうするんですか?
フェル 迷ったときには、何のしがらみも、世間体や会社や家族のことも一切ないと仮定したら、自分は本当はどうしたいと考えているのかを突き詰める。一番根源的な、一匹の生き物としての気持ちをね。本当のところどうしたいかというのは、意外とわかっていないもんなんです。胸に手をあてて考えて「本当にそうしたいの?」「それ世間体で言ってない?」「そうすると儲かると思ってるからでしょ?」なんて自問自答していくと、気持ちって結構揺らぐんです。自分が気付いていなかったいろいろなファクターが明らかになる。紙に書きながらやるといいかもしれないな。
S 僕も、悩みのあるときにパソコンで書いたりしながら考えているんですけど、なかなかまとまらなくて。
フェル そんなすぐにはまとまらないよ。ものすごく大変なことなんだもの。すぐにまとまる訳がない。だから何日もゆっくりかけてやる。それでもぐちゃぐちゃしてしまうということなら、寝る前にやるといいかもしれない。あまり悶々とせず、袋小路になってきたら睡眠に逃げてしまっていい。思考って、寝ている間にも整理されますから。少なくともSさんに関して言えば、まだ自分の本当にやりたいことを突き詰めるほどは真剣に考えられていない気がするんです。それが本当にないって言うならしかたないけれど。今やってる仕事は、そんなに好きでやっているわけではないの?
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