話の続きは僕の携帯まで!【第0話】

泣く子も笑うサブカル雑誌『TVBros.』で連載中の超異色連載『090-6143-2407 ジョンと出会った読者たち』がついにcakes上陸。ごく普通の会社員であるジョン・ヒロボルタさんが血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始まる、読者との間で本当に起きたアメイジング・ドキュメンタリーです。毎週水・土の一挙更新で再掲載。もちろん 『TVBros.』本誌でも連載中、まだまだ話は続いています。最新状況が気になる方は、本誌 をチェック! もちろん今すぐ電話をかけてみてもいいんですよ……。

現在、TVBros.という雑誌で連載『090-6143-2407 ジョンと出会った読者たち』をやっております、ジョン・ヒロボルタと申します。


この連載は、ごく普通の会社員である僕の携帯番号を誌面に載せて、それを見て電話をかけてきたTVBros.読者との間に生まれた交流を記録したドキュメンタリーです。

最初はこの第0話、中国の珍道中レポートで「話の続きは~まで!」と、ページの隅っこに僕の番号を載せてみたことに始まります。個人情報を晒すことに抵抗はありませんでした。個人情報をひた隠す今こそ、さらけ出した方が面白いことが起きるんじゃないかと思ったし、そもそも、どうせかかってこないだろうとも思ってました。

そしたら本当に電話がかかってきて、次号でその話を載せたら、別の読者からも電話がかかってきて、いつのまにか僕の番号自体をタイトルにしたこの連載が始まっていました。読者を巻き込んだり、巻き込まれたりしつつ、今では僕の人生の一部のような存在になっています。

あ、それは言い過ぎですね。でも、僕があのとき番号を載せなければ、きっと出会うはずのなかった人々たち。大変なときもありますが、とても楽しい触れ合いです。そしてそれは現在進行形で今でも続いています。僕にとって携帯電話は、雑誌の向こう側へ移動するためのツールなのです。

それでは、2012年8月に掲載された初回から辿っていくことにしましょう!

「中村さんの結婚式 in 福建省」

 成田から4時間、中国は福建省の福州空港から車で約2時間のところにある 平潭ピンタン島。台湾海峡に面した、台湾に最も近い中国です。この地で、過去「World Bros.」で連載していた、中村さんの結婚式が盛大に行われました。観光客の姿0。後にも先にもここで結婚式をした日本人は中村さんだけでしょう。てことで弾丸取材決行!

 福州空港から平潭島へ。車での移動中、道には信号がないし、車線もあってないようなものだし、赤茶けた大地を背景に、スイカを売ってる農民、談笑している軍人、野良犬、野良牛、無数の鴨、ただ上半身裸で座ってる人(何をしてるんだ?)など、景色はまさに「戦後の日本」。

 ところが、平潭は意外と都会で驚いた。人口は40万人ほど。建設中のビルが目立ち、勢いを感じる。ただ、コンビニやマクドナルドなど、日本でおなじみのものが全く見当たらない(偽物っぽいアップルストアならあった)。しかし、一番驚いたのは、ベンツやBMWなどの超高級車の比率の高さ。後で地元の人から聞いたのだが、「メンツを何より重んじる福建人は、とにかく見栄を重視する」ためなんだそうだ。

 新婦(あだ名:ブルース)の実家へ。親戚が大集合し、ブルースはここぞとばかりに良き妻ぶりをアピール。「スイカ食べて」「肉食べて太ってくださいね」「これちゃんと食べた?」「おいしいですか?」。食事を終えると、「スイカ食べて」「スイカまだありますよ」と再びループするブルースは、壊れたテープレコーダーのようだ。

 やっとの思いでスイカループから抜け出して、ようやくホテルへ。しかし着いてみてビックリ。“平潭一のホテル”という触れ込みだったのだが、ネオンが下品過ぎて、町田あたりのラブホにしか見えない。部屋はカビ臭く、床はタバコの焦げ跡でビッチリ。そういえば街中もゴミが至る所で散乱していた。まだここには“ゴミを決まった場所に捨てる”という概念がないのかも。路上を埋め尽くす超高級車とゴミのコントラストが、北斗の拳の世界を彷彿とさせる。

 いよいよ結婚式だ。その前に髪をキレイに揃えとこう、ということで、平潭で一番イケてる美容院に入り、一番イケてそうな美容師を捕まえて「今、一番イケてる感じに」とお任せしたところ、僕は“GIジョー”、編集木下は“稲中の井沢”にされてしまった。ちなみにお代は430円くらい。美容師の満足そうな顔を信じることにして、胸を張って店を出る。
※cakes編集注:"ヘンテコ関羽の入れ墨男"こと編集者・木下拓海さんについては、中川淳一郎さんとの対談をぜひ御覧ください!

 実家で待機しているブルースを迎えにいく中村さん。これから結婚式前の儀式が始まる。ところが、実家の前で親族がなぜか通せんぼ。どうやら「トンチ」に答えなければ、中に入れてくれないようだ。そこで、ドアの向こう側にいる子供たちに小銭を渡し、買収してドアを開けてもらおうとするトンチに打ってでる中村さん。一同爆笑。やっとこさ奥さんと再会し、おじいさんに涙の別れを告げて外に連れ出し、いざ式場へ。ものすごい量の爆竹が一斉に鳴りだす。

 ところが式場でトラブル発生。エアコンが壊れ、会場はうだるような暑さだ。結局、エアコンは直らず、そのまま式を強行することに。ロッキーのテーマが流れて、まずは中村さん登場。しかし見た感じ、まるで試合後のロッキー状態。フラフラだ。

 そんな限界状態の中、司会のお姉さんがとにかく喋る喋る! 内容はまるでわからないが、沈黙の隙を見つけては、そこをつぶさに言葉で埋め尽くしてしまう。途中、日本から来た僕らが「島唄」を歌うという余興もあったが、基本的には司会のお姉さんが喋りまくって、ラストはなんと彼女の歌で締め!!

 司会がすべてを持っていく、恐るべし平潭島の結婚式。とにかく中村さん、おめでとう!! なお、平潭島は開発特区に指定され、3〜4年後にはマカオみたいになるそうだ。渡るなら、今!?

続話直通電話

これがほんとの語りおろし! 話の続きは090-6143-2407へ! スペースの都合上、書ききれなかったエピソードをお話します。ジョン・ヒロボルタ(平日21時以降におかけください。土日はいつでもOK)、平潭島でレストランをやる予定なので、寄付も受付中! hirotakufr@aol.com

(「TVBros.」2012年8月12日発売号掲載)


プレイバック・コメント

そういえば、この連載のスタートは単なる旅の報告だったんですよね。そもそも自分としては今でも連載という意識は全くありません。僕がやっていることといえば、アイデアをひねり出すわけでもなく、ただ電話の対応をしているだけですからね。だから「携帯番号を雑誌に載せたらどうなるのか?」という社会実験的な意味合いも感じてませんし、企画力があるだなんてこれっぽっちも思っていません。ただ、僕は海にいるクラゲのごとく流されるだけです。

では、そもそもなぜ携帯番号を載せたのか?というと、それには2つの理由があります。ひとつは、楽しかった中国の思い出を語るには1ページではあまりにも足りないと思ったから。いわば自分の文章力のなさをカバーするために電話を利用しようという姑息な考えです。そしてもうひとつは、よく音楽誌のインタビューなどで「語りおろし」という言葉を見かけますが、ライターに加工された記事で「語りおろし」だなんて、全然語りおろしじゃない。本当の語りおろしを僕はやってみたい!と思ったからです。

ラインやツイッターなどと違って、肉声で直接触れ合い、相手の時間を強制的に奪う携帯電話は、今ではかなりハードルの高いコミュニケーションツールです。そんなツールに今日日わざわざかけてくる人は、並大抵の人ではありません。中国の話よりもその人のことが気になってしまいました。さあ、どんな人が僕の携帯に電話してきたのでしょうか? その続きはまた次回ということで!

ジョン・ヒロボルタ

ケイクス

この連載について

雑誌で自分の携帯番号【090-6143-2407】を公開したら

ジョン・ヒロボルタ

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