牛込の加寿子荘

牛込の加寿子荘」第二十八話

ちくしょうなんでも漏らしてしまえばいいんだ、わたしは、羨望という感情の占める部分が大きすぎる……。
嫉妬と羨望、悔しさとあきらめ。書くことを仕事にし軌道に乗り始めたその心情とは。 築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説!
  わたし自身がゼロになる前に、わたしを成立させる意味合い的にくっついているいろいろなものから先にはがれていくということ、樹皮のようにごっそり残酷に、むしろ幸せになってしまうように朽ちていくということ。それを、現実的に、今らしくいうならば「リアル…」に、庖丁を突き立てるように、わたしは毎日毎日、朝起きたときに念仏のようにとなえていい。呼吸と同時にとなえて、そなえるといい。そんなに遠くない。

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牛込の加寿子荘

能町みね子

築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説!

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