動きつづける」という安心

重度の自閉症を抱えながらも、社会を鋭く見つめている作家・東田直樹さんの連載です。
自閉症の症状は人によってさまざまですが、よく挙げられるものとして「じっとしていることが難しい」ということがあります。東田さんも初回のインタビューで「動いているほうが自然」な状態だとおっしゃっていましたが、乗り物に乗っているときはじっとしていられるそう。それはどうしてなのでしょうか。
読み終えたあと、ふと澄んだ景色を眺めたくなるような、今回のエッセイです。

 電車に乗って窓から外を見ていると、景色が飛ぶように流れていきます。
 僕は目の前の風景をまっすぐに見つめていますが、たぶん眼球は、いつも少し後ろにずれているのだと思います。変化するスピードに目の動きがついていかないのかもしれません。


 僕が不思議に思うのは、自分自身それが全く気にならないことです。

 見ているものが何か、はっきりつかめなくても、危険を感じないばかりか、むしろ楽しんでいます。
 ジェットコースターという乗り物があるくらいなので、人は高速で移動するということに対して、かなり適応できる能力があるのだと感じています。


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跳びはねる思考—22歳の自閉症作家が見た世界

東田直樹

「僕は、まるで壊れたロボットの中にいて、操縦に困っている人のようなのです。」 会話ができないもどかしさや意に沿わない行動をする身体を抱え、だからこそ、一語一語を大切につづってきた重度自閉症の作家・東田直樹。 小学生の頃から絵本...もっと読む

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honwaca1 東田直樹さんの書く文章はいつも素敵。普段はうちのこみたいにぴょんぴょん飛び跳ねているって言うのが不思議だな。 https://t.co/7ppuQASV45 約4年前 replyretweetfavorite