堀江貴文 vol.1 ビジョンなんて言ってないで、とりあえず一歩を踏みだそう。

ファンドマネージャーの藤野英人さんが、イケてる日本の経営者にインタビューする対談シリーズ。今回は特別編として、新刊『ゼロ』が20万部を超える大ヒットとなっている堀江貴文さんにお話をうかがいます。株式会社ライブドアの代表取締役として球団やTV局の買収などを仕掛けた堀江さんは、その勢いが絶頂のときに強制捜査を受けます。そして実刑判決により、地位、名誉、築き上げた会社組織など、すべてを失くしました。それにもかかわらず堀江さんは、出所後、働く意欲に満ちていました。『ゼロ』にいたく感動したという藤野さんが、堀江さんの「いま」にせまります。

もう「金に女はついてくる」なんて言わない

藤野 新刊の『ゼロ』読みましたよ! いやあ、感動しました。

堀江 ありがとうございます。すばらしい書評を書いてくださったんですよね。

藤野 僕はこれまで堀江さんの著作を10冊以上読んでいるんですけど、そのなかでも一番よかったです。特に印象的だったのは、足し算の重要性について書かれているところです。多くの人は何かを成そうとするとき、すぐかけ算、つまり楽して成果を得られる方法からやろうとするけれど、ゼロに何をかけてもゼロ。まずは一つひとつ積み重ねていくことが大切なんだと書かれています。これまで「ホリエモン」は、かけ算の名人だと思われていましたよね。

堀江 みなさんがテレビなどで僕をよく見ていた時期が、僕にとってかけ算、すでに得た元手をどんどん増やしている時期だったからでしょうね。2004年に出した『稼ぐが勝ち』という本があるんですが……

藤野 ベストセラーになりましたよね。僕も読みました。

堀江 実は、『ゼロ』に書いてあることと、『稼ぐが勝ち』(光文社)に書いてあることは、本質的にはほとんど変わりません。でも、『稼ぐが勝ち』というタイトルにも表れているように、あのころ僕が抱かれていたパブリックイメージからすると、誤解を受けやすい表現が多かったように思います。2005年にはニッポン放送の株取得をめぐってフジテレビと騒動になりました。それでマスコミが偏った報道をするようになり、「ホリエモン」のイメージはどんどん傲慢なものになっていった。でも、僕の頭のなかは、ずっとモテない自分、貧乏だったころの自分のままです。『ゼロ』はそれをいかに克服していくか、というところに重点を絞って書いています。

藤野 そう、堀江さんは変わってないんですよね。

堀江 僕はいわゆる経営者のビジネス書に違和感があるんです。立派なことを言い過ぎてやしないか、と。起業するにも、世界から貧困をなくしたいなどのビジョンをもとに起業するのが王道で、とりあえず起業するなんてよくないという内容のものが多い。でも、そんな立派なビジョンを持っている人って、どのくらいいるんでしょうか。僕は、動機はどうであれ、とりあえず一歩踏み出してみればといいと思う。その一歩が、『稼ぐが勝ち』では「稼ぐ」ということだったし、『ゼロ』では「働く」ということとして書いている。稼ごうとしたとき、仕事って与えられるものじゃないんですよね。

藤野 自分でつくるものですよね。

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イケてる経営者が日本を救う

藤野英人

日本株ファンドの「ひふみ投信」で抜群の成績を残しているファンドマネージャー藤野英人氏がイケてる日本企業の経営者にインタビューし、投資家の目線で成長の秘密をひもといていく対談連載。50歳未満の「アニキ編」と50歳以上の「オヤジ編」の2編...もっと読む

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コメント

YuyaTakegawa "僕はいわゆる経営者のビジネス書に違和感があるんです。立派なことを言い過ぎてやしないか、と"〉 3年弱前 replyretweetfavorite

SHU10038 そうです. 将来のビジョンを考える就活生にホリエモンが喝!https://t.co/o7NMZpfbX6 近畿大学のスピーチにツッコミ! https://t.co/DI4QVLm9wc 3年弱前 replyretweetfavorite

sakony cakesって面白い。 4年弱前 replyretweetfavorite

3keys_takae また面白い連載がスタート→ 5年弱前 replyretweetfavorite