ネット時代だからこそ問われる「己の在り方」 IT時代の教育とは? 【第4回】

インターネットの発達した時代に重要なことは、「ITを利用して高速学習!」などではありません。ネットによって自由が無限大になってきたからこそ、ネットに溺れて無限大に堕ちてしまうのではなく、人生を生き生きと楽しめるような、己の在り方が問われるのです。そんな「己の在り方」、どんなふうに育めばいいのでしょうか?

第1回でお話しした通り、IT社会の発達に伴い、昭和的な「画一的な価値観」は徐々に崩壊していきました。代わりにそれぞれの個人が自分の価値観を大切にするという、「自分の気持ちがなによりも大事」という考え方が、徐々に一般的なものとなっていったのです。そんな「自分だけの価値観」を持つ時代は、思いのほかシンドイ時代であることや、ネットの本質は、自分の全人格を丸裸にして、世界中に放送してしまう、恐るべき道具であることなどを解説しました。ネット時代は、今まで以上に個々人の人格や価値観といったものが、重要になってくるのです。

ネット時代に必要不可欠な、健全(?)な自尊心
 では、そんなネット時代に必要な価値観って、どのようなものでしょう? それはおそらく、左右を見渡して、他人様の意向に振り回されるようなものではないでしょう。

 「自分は自分のままでいい」「ナンバーワンじゃなくてオンリーワン」。

 こんなセリフが、1990年以降よく聞かれるようになったのは、偶然ではないでしょう。子どもの頃に適切な承認が得られないと、「アダルトチルドレン」と呼ばれる、トラウマを引きずったまま、精神的に未熟な大人になってしまう……そんな認識が一般的になりました。

「自尊心を育もう」「子どもをそのまま認めてあげる」「あなたはあなたのままでいい」

 育児書にもそんな言葉が踊るようになり、子供を叱ることは、まるで罪悪のような雰囲気になってきました。いまや電車の中で騒いでも、食べ物の好き嫌いしても、レストランで大声を出しても、そんな「ありのままの自分」を咎めてはいけないような雰囲気です。また「過度の励まし」や「自助努力の強要」もタブーといった雰囲気が形成されたように思います。

 90年代からこういった子育てが、ごく一般的となりました。子供の行動をそのまま認める子育てが、それほど正しいのなら、現在20歳くらいまでの青少年は、大半が自尊心に満ちあふれ、社会の最先端で大活躍していても良さそうです。

 ところが……

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IT時代の未来〜それはユートピアかディストピアか?

松井博

現在、IT革命によって世の中の仕組みが急速に変わりつつあります。産業、政治、就労、コミュニケーション…… 影響を受けない分野はありません。未来はどうなっていくのか、こうした時代が私たちにどんな選択を迫ってくるのか、元アップル管理職の松...もっと読む

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Singulith 「「自分の気持ち」なんかよりも他人に花を持たせたり、みんながWIN-WIN でそれぞれに活躍できたほうが、よほど充実しているし、気持ちがいい。そういうことを身を以て体験したからではないか」 https://t.co/EvmGuMHbC7 4年以上前 replyretweetfavorite

ayakahan 薬の様にバッチリ効く文章です: 自分の在り方を引き受け、顎をあげて次の日に立ち向かっていける。それこそが自尊心【第4回】| 4年以上前 replyretweetfavorite

momoirobear [今なら無料!] 4年以上前 replyretweetfavorite

3keys_takae 自尊心って、どう育てればいいのだろう?  「すべての子供は、完全無欠な自尊心を持って生まれてくる。だから、抑圧せず子供の自尊心を大事にしてあげれば、健全な自尊心がすくすく育つはずだ。」... http://t.co/geN1pSYCiC 4年以上前 replyretweetfavorite