晩酌歳時記

第四十回・湯豆腐

お酒に対しては博愛主義を標榜してきたはずが、アルコール度数4%未満の飲料は酒と認めず蔑視している自分に最近気がつきました。そんな佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。キムチ、カレー、トマト……ここ数年様々な進化を遂げている鍋料理ですが、わたしのイチオシは「一人鍋」です。

 迷ったけど買ってよかった調理器具の第一位は土鍋である、引越しシーズンにそんなことを書きました。冬を迎えるにあたって、もう一度強調しておきます。土鍋こそ単身生活者の強い味方だと。
 鍋は大人数向けの料理と思い込んでいませんか? その根拠となっているのは「いろんな具を入れた方がいろんなダシが出ておいしい」という「寄せ鍋理論」ではないですか? たしかに単身世帯でいろんな具を揃えるのは大変です。しかし寄せ鍋は数多い鍋料理の中の一ジャンル、その方法論が全てに当て嵌まるわけではない。白菜と豚バラだけの鍋、ほうれん草と牛肉だけの鍋、焼き鮭と白菜と葱だけの鍋、これら「だけ鍋」は「だけ」だからこそおいしいのです。一人だったら火の通り加減も食べる量も自由自在。煮えすぎてぐったりした白菜や溶けかかった葛切りを、親切顏でお椀によそわれることもない!
 私の場合、初めて土鍋を買うきっかけとなったのは湯豆腐でした。

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晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

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poohworld723 今度湯豆腐してみよ。[今なら無料!] 4年以上前 replyretweetfavorite