天才のつくり方

第1回】ハーバード大学って、どうやって入るの?

日本経済が停滞して久しい。一方で、アメリカではIT産業の新しい成功モデルがどんどん生まれている。この違いはどこにあるのか。 ここで登場するのが2人の天才。高校卒業後、8年間ハーバード大学で活動している理論物理学者・北川拓也。一方、10年以上東京大学に在籍し、留学経験はあれどその後も日本を拠点として研究を続けてきた茂木健一郎。両者の対話によって、日本とアメリカの文化、教育の違いを浮き彫りにしつつ、日本という国がここから変革を起こすことができるのかを探る。 2人は本対談が初対面。はじめは茂木が北川を質問攻めにする展開となった。

専攻もない、文系理系の区別もない

茂木 今日はよろしくお願いします。北川さんは理論物理学を専門としているんですよね? 僕も物理専攻だったから、どんな研究をしているのかぜひ聞きたかったんですよ。

北川 いまは物性物理の研究をしています。いわゆる「ものづくり」の物理ですね。量子コンピュータの実現についての提案だとか……。

茂木 それはcomputational(理論的)に? それともphysical(物質的)なレイヤーで?

北川 physicalです。物ですね。これまでの理論物理では、自然現象を受動的に理解する研究が多かったのですが、僕はむしろ能動的に、物理法則を利用するとどういった新しい現象を起こせるのか、新しい物がつくれるのかという研究をしています。それで、最近つくった分野が、非平衡状態の物質を制御して新しいものをつくるという研究です。

茂木 それを理論上じゃなくて、実験でやってるんだ。すごくおもしろいね。

 ちょっと細かいことを聞くんだけど、ハーバードってundergraduate(4年制大学の学部)での専攻科目はどの時点で決まるの? 日本の大学では、2年まで教養課程で3年から専門を決めたりするんだけど。

北川 専攻を決めるというか、取得した授業の単位が、行きたい専攻の条件を満たしていれば、degree(学位)がとれるというシステムになっています。だから、何年次という縛りはなくて、いつでも決められます。そして、たくさん授業を詰め込んで単位をとりまくれば、degreeはいくつでもとれる。それで、僕は4年の間に数学科と物理学科、どっちの学位もとりました。

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天才のつくり方

茂木健一郎 /北川拓也

日本経済が停滞して久しい。一方で、アメリカではIT産業の新しい成功モデルがどんどん生まれている。この違いはどこにあるのか。 ここで登場するのが2人の天才。高校卒業後、8年間ハーバード大学で活動している理論物理学者・北川拓也。一方、1...もっと読む

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