社会人時代の中川は、本当に仕事がデキないやつだった
嶋 じゃあ、そろそろ中川のサラリーマン時代の話をしようか。
中川 そうですね! オレと嶋さんを語る上で、このサラリーマンマインドは絶対に欠かせないですから! えーっと、オレと嶋さんは博報堂時代にCC局(コーポレートコミュニケーション部)で同じ部署だったって話はしましたが、サラリーマン時代のオレに対してどんな印象をお持ちでしたか?
嶋 正直、印象薄いなあ。仕事してるんだろうかって感じ。夜中に「キーッ」って奇声を発してるのを目撃したことあるな。電話の受話器投げつけてたり。おっかないやつだなあと思ったこともあった。
中川 しかも無駄に会社にずっといて、残業代はしっかりもらうっていうダメ社員でしたね。
—— 当時の中川さんが成し遂げた業績みたいものはありますか?
中川 本当にまったくないです。なにもないですよね。
嶋 まあ、たしかにそうかもね。
中川 本当に、こればかりは博報堂時代の誰もが認めるところですよ! しいて挙げるならAmazonの日本進出の手伝いをしたことくらいかな。でも、これは別に「仕事ができる」っていう規準で選ばれたわけじゃなくて、単に海外の会社だから英語がしゃべれる人が必要っていうだけ。下っ端だったから誇れることはしてないし。
嶋 そんなヤツが、ある日「俺はNIGOになる!」って宣言して会社を辞めちゃったわけですよ。おかしくない?
中川 嶋さん、オレが会社を辞める理由を聞いたとき、どう思いました?
嶋 「どうかんがえても、中川がNIGOになれるわけないだろ!!」って思ったよ(笑)。でも、よく考えたら博報堂にいたころの中川のことあんまり知らないんだよな。
中川 そうそう。オレと嶋さんは同じ部署にはいたけれども、正反対の立ち位置にいましたよね。嶋さんはオシャレでバリバリいろんなことをやっているイケてる若手クリエイターで、オレは会社のデスクの引き出しにレタスを隠しといて赤い変な虫を大発生させるような仕事のできない小僧でした。