アルコールが苦手な人がバーの雰囲気を楽しむには
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
先日、TBSラジオの「荻上チキ・Session-22」に出演したとき、リスナーからの質問で、突然こんなことを聞かれました。
「私はバーの雰囲気は好きなので行ってみたいのですが、実はアルコールが全く受け付けません。こういう人間はバーにとっては迷惑なのでしょうか? あるいはバーではどう振る舞えば良いのでしょうか?」
生放送で突然こんな鋭い質問をしてくるなんて、さすが人気番組だけあるなあとちょっと驚いたのですが、これは正直に答えなきゃと思いました。僕の回答はこうです。
「正直に本音でお答えしますと、バー経営者にとってアルコールが飲めない方に対して気になるのは、単価なんです。喫茶店やレストランの場合は、だいたいどのお客様も平均単価と同じくらいお金を使ってもらえますが、バーの場合、すごくたくさん飲まれる方と1杯だけの方とでは単価が大きく違ってくるんです。ですので、もし迷惑かもと気にされているのであれば、少し高めのノンアルコールカクテルをたくさん注文するのをオススメします。例えば銀座の有名バーテンダーがシェイカーを振ってくれるバーだと、ノンアルコールカクテルでも1500円くらいはします。それを3杯注文すれば、お店としては嬉しいわけです」
こんなことを放送メディアで言っても良いのかなあと思ったのですが、やっぱり言って正解だったと思いました。だって、アルコールを飲めないせいで、バーテンダーに冷たくされた経験のある方多いと思うんです。だからバー経営者側は本当は何を思っているのかって伝わった方が、より良い世界になると思うんですね。
というわけで、もう少しバー側の意見をつけたします。アルコールを飲めない方は「何か凝った注文」をしてほしいです。というのは、座って何も見ないで「ウーロン茶」と注文される方がよくいらっしゃいます。お気持ちはお察しします。お酒が飲めないと、メニューを見るのも面倒くさいので「ウーロン茶」って言ってしまうんですよね。
しかし、バー側の人間としては「ウーロン茶だったら、その辺の自動販売機でも売ってるし……」という気持ちになります。こちらはお客様を楽しませようと思って、日々、様々な技術を鍛錬したり、様々な味のものを試してみたりしています。そして、お客様にもそれを味わってもらおうと、選りすぐりのものを用意してあります。