photo:David Jones
半沢直樹も島耕作も、アレをやっている
テレビ番組にとって、なんと言っても最も重要なのはやはり「リサーチ」です。しかし、なにもこれはテレビに限ったことではありません。
ドラマ「半沢直樹」を見ていると、主人公の銀行員は、担当する街の優良な融資先の発掘に始まり、すでに融資した取引先の経営状況、果ては粉飾決算した取引先の社長の隠れ場所まで、常に何かをリサーチしています。そしてリサーチを妨害するやつには、いつも「倍返しだ」と激ギレ。
マンガ「島耕作」シリーズの主人公は家電メーカー「初芝電器産業」の社員。彼の若かりし頃のエピソードで、ライバル会社の発売する「ベータ」とよばれるビデオデッキに、自社が発売するVHSがシェアで勝利するために奮闘するシーンの一節では、
同僚社員「今日、アダルトビデオの撮影会があるんだ。VHS陣営勝利の為にも制作現場を見に行こうじゃないか」
島耕作 「ふむ。それは見てみたいな」
VHSを売るために、AVの撮影をリサーチする主人公の姿が生き生きと描かれています(『係長 島耕作』第3巻)。
これは、1982年に発売され、その高画質とクオリティの高い女優の演技で、一説によれば13万本という爆発的な売り上げを記録した「洗濯屋ケンちゃん」という画期的な裏ビデオが、家庭用ビデオデッキの爆発的な普及に大きく貢献していたという史実をもとにした創作だと思われます。
もちろん、ドラマやマンガの世界ですので、面白おかしくするためにある程度の脚色はありますが、ことほど左様に銀行員も、メーカーの社員も、その他の多くの仕事についても、商品を売るため、作るため、製品を企画するため、その企画を人に説明するため、と様々な局面において、「リサーチ」は必要です。
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