牛込の加寿子荘

牛込の加寿子荘」 第七回

築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説! (『少年タケシ』2011年2月更新分より)

帰るたび、タエコさんの動向が気になる。
ある金曜日、私は夜の十一時ころ帰ってきた。加寿子荘前の小路から仰ぎ見ると、タエコさんの部屋の電気はついていない。どうやら本日ももう床に着いているようです。少し胸が高鳴る。
加寿子荘は共有玄関のある木造の下宿式で、靴をぬいで二階に上がる。二階の廊下の電気スイッチは階段の上がり口にもあって、帰ってきた者は一階でスイッチをつけ、二階にあがり、タエコさんの部屋の入口至近にある二階のスイッチを消して各々の部屋に帰るというしくみ。

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