森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」展—自画像を描きつづけた画家VS画家になりきり続ける男

生涯を通して自画像を描きつづけた画家をご存じですか? 「夜警」で有名なオランダの画家・レンブラントです。そのレンブラントの自画像になりきった写真作品の展示が品川にある隠れ家のようなギャラリー・原美術館で開催されています。作品をつくった「なりきり」の主は、以前も本連載で取り上げた森村泰昌。レンブラントを乗り移らせることで彼が追い求めている命題とは。

「隠れ家のような」という形容は、何もレストランの専売特許じゃありません。美術館にも、そうした雰囲気のところがあるのです。今回は、東京都心にありながら隠れ家っぽさを有する、原美術館の展示をお勧めしたく思います。

JR品川駅から歩くこと10分ほど。ビルが建ち並ぶ駅前から、徐々に住宅街へと入っていきます。こんな奥まったところに何かあるの? 少し不安になってくるころ、大きな庭と、タイル張りの白亜の建築が現れます。そこが原美術館です。

もとは個人の邸宅だったものを、現代美術を展示する場へと生まれ変わらせたのです。玄関、いえエントランスを潜ると、少し湾曲した板張りの長い廊下が続き、その右手に部屋が並びます。途中には重厚な階段もあり、2階へも上がっていけます。かつて食堂だったりベッドルームだったりした部屋が、いまはそれぞれ展示室になっています。

現在開催中なのは、「森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」展。森村泰昌というアーティストの名、覚えていますか? 少し前にも目にしましたね。そうです、先日、資生堂ギャラリーでの展示をご紹介したのと同一人物。かのアーティスト、1994年に原美術館で個展を開いていました。彼にとって日本の美術館での初個展だったのですが、そのときに展示したのが「レンブラントの部屋」とのシリーズでした。展覧会終了後、同館のコレクションとなったシリーズ全作品を、再び全館を使って展示しようという試みなのです。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

初回を読む
アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません