前回のコラムではオリンピックの招致プレゼンテーションが「より攻撃的で、西洋風」であったという点に触れましたが、黒子であったSeven46はなぜプレゼンのフォーマットを西洋風にしたのでしょうか?
それは、日本の外の文化圏の人びと、オリンピック招致投票権利を持ったIOC委員の多くは「謙遜」を美徳とする文化圏の人びとではないからです。たとえば委員111人のうち47人はヨーロッパ人、20人はパンアメリカ圏の人びとです。アジアや中東の委員もいますが、いずれも日本のように「謙遜」を美徳とする文化圏ではありません。
プレゼンテーションだけが開催地の投票の決め手ではなく、プレゼンテーション以外にも水面下でのロビーイングやさまざまな工作があることは良く知られていますが、プレゼンテーションは投票権を持った人びとにアピールする手段の一つであるので、「相手が理解できるフォーマット」で自分が伝えたいことを話すのは大事なことです。
さて、しかしなぜ海外の人びとは日本の「謙遜が美徳」なプレゼンを理解しないのでしょうか?
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