オーケンの「妄想愛娘とギター散歩」

感動の最終回を迎えた「FOK46」、あたたかいご声援にお応えして1話完結型の番外編を掲載していきます! 今回は、大槻ケンヂさんがギターを弾くようになってからハマりだした趣味「愛娘とのギター散歩」について。娘さんのいないはずの大槻さんの、かわいい愛娘とはいったい……!?

 『やめようもうやめよう』と思いながらついついしてしまうことというのがある。

 僕の場合のそのひとつは、「妄想愛娘とギター屋めぐり」である。

 もうひとつ告白するなら「妄想愛娘にギターを教える」なのだ。

 それを妄想しながら一人ニヤニヤするという、書いていて自分が今、恥ずかしいやら情けないやらなんなのやら、もうわからなくなるくらいのやめようやめようもうやめようなのである。

 40代半ばにして突然アコースティックギターの弾き語りに興味を持って以来、ギターショップを見てまわるという趣味ができた。

 特にお茶の水から神保町にかけては多数の楽器屋さんがあって一日いても飽きない。

 ギブソン、マーティン、K・ヤイリとさまざまなメーカーの機種をながめて歩き、神保町には古書店も多いからそちらで古いSF小説なども見繕って、これまた周辺に何軒かある昔ながらの喫茶店へ入ってお茶を飲む。一休みしたら今度はヴィンテージを中心に見てめぐるべく、また人いきれの町へと出て行くわけだ。

 とても楽しく、つねに脳内が興奮物質で満ちあふれる40代からの趣味散歩だ。

 僕は趣味は一人でエンジョイしたいタチなので、必ず一人きりで出かけている。

 ただ、いくら一人が好きでもやはりどこか孤独はさみしいものなのであろう。時々『誰かついてきてくれないかな』と、ふと思う。

 こういう想いは30代まではあまりなかった。

 とは言え、一人はさみしいが他人といるのはちょっとうざったい。自分勝手なのだ。

 そこで僕はたまに、空想上の趣味パートナーを脳内で作り上げて、連れのいる体で、その言わば“エア相棒”とお茶の水、神保町あたりを散策している。

 書いていて今、40代中年のあまりにむなしい風景を見るようでオイラは心が折れそうなんだが、書いちゃったついでにエーイもうひとつカミングアウトしてしまえば、エア相棒は妄想愛娘なのである。

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小説 FOK46—フォークオーケン46歳

大槻ケンヂ

30年以上音楽活動を続けてきた、ロックミュージシャンの大槻ケンヂ。楽器演奏と歌を歌うのを同時にできないという理由で、ボーカルに徹してきた彼が、2012年、ギターの弾き語りでのソロツアーを始めた。その名も『FOK46(フォークオーケン4...もっと読む

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