川内倫子写真展「光と影 Light and Shadow」—彼女をつき動かした2羽の鳩

浜松駅そばで開催中の写真展「光と影 Light and Shadow」。日常のなにげない瞬間を切り取ることに定評のある写真家・川内倫子は、震災を取り上げた作品が数多く発表されるなか、なぜ被災地の写真を撮ろうと思ったのか? その答えは彼女が撮った光景のなかにありました。小旅行がてら、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

全国の美術館、ギャラリーを巡るのもわたくしの仕事。各地へ赴くことも多いものなのですが、今は静岡県の浜松市に来ています。今回は現地で開催中の展覧会をご紹介。新幹線停車駅でもある浜松駅から、繁華街を歩いて数分。味わいのある古いビルが見えてきて、そこにかわいらしい看板が置いてあります。「BOOKS AND PRINTS」と書かれていますよ。導かれるようにして2階へ上がると、セレクトブックショップが広がっていました。写真家の若木信吾が手がけている書店です。写真、美術、文学、紀行……。内容も見た目も大いにそそられる本がずらり並んでいます。

読み耽るのもいいのですが、上階にはギャラリーがあるので、今回はそちらもぜひ覗きたいのです。4階の「KAGIYAビル4Fギャラリー」では、川内倫子写真展「光と影 Light and Shadow」と題する展覧会が開催されていました。

川内倫子は国内だけでなく、欧州や南米などでも個展が多数開催されている、当代きっての人気写真家ですね。日常の光景を切り取る写真を得意としている彼女ですが、ここで発表しているのは、震災直後に被災地で撮影した作品です。

2011年の4月、川内は石巻、女川、気仙沼、陸前高田を訪れました。作品を撮るというつもりはなかったのですが、現地で2羽の鳩に出遭うことで気持ちは変わります。白と黒の鳩が、つかず離れず飛び回ったり、ガレキのなかへ降り立ったりしていたのです。その様子を、夢中になってカメラで追いかけました。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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コメント

sadakao 写真展もだけど、このKAGIYAビルかっこいい。行ってみたいなー。 "" https://t.co/Jo2RI4c6HB 4年以上前 replyretweetfavorite

suchi https://t.co/PeJbH42sUw? おー、cakes.mu にKAGIYAビルが載ってた! 4年以上前 replyretweetfavorite