与えられた仕事は「作業」でしかない
人は仕事に感情を求めている。
こう聞いたとき、多くの人は「やりがい」という言葉を思い出したはずだ。やりがいのある仕事や、やりがいのある職場など、仕事に対するモチベーションはやりがいという言葉で語られることが多い。
しかし、具体的になにをもって「やりがいのある仕事」とするかは、かなり判断の難しいところだ。給料のように数字にすることもできなければ、条件を箇条書きにすることもできない。
そこでもう一度、勢いのあるベンチャーを参考にしながら「やりがい」の正体について考えてみたい。
なぜ、勢いのあるベンチャーでの仕事はおもしろく、勢いを失った大企業での仕事はおもしろくないのだろうか?
結論からいおう。大企業における仕事とは「敷かれたレールの上を走ること」であり、ベンチャーにおける仕事とは「自らがレールを敷いていくこと」だ。与える側にいるか、それとも与えられる側にいるか。この一点が仕事の充実度を決定づけるのである。
誰かの敷いたレールの上を走ることに喜びはない。マニュアルどおりに乗り方を覚え、アクシデントにさえ気をつけていればそのうち目的地にたどり着く。楽ではあるが達成感を得られる仕事ではない。だから、大企業に勤める人たちは、仕事そのものよりも出世レースや派閥争いに夢中になっていく。仕事というゲームの本質を見失い、ただの権力ゲームに埋没してしまうのだ。
一方、ベンチャーの仕事は、「仕事をつくること」から始まる。
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