​【最終回】あなたは今、おいくつですか?

バーカウンターの向こうから見つめた世界を描いてきた本連載、約9年、469回目の今回が最終回です。42歳で連載をスタートしてから、人生が変わっていったと林伸次さんはいいます。若い頃にやろうとして諦めてしまったことはありますか?
※大事なお知らせがありますので、ぜひ最後までお読みください。

毎日書き続けたラブレター

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

僕、23歳の頃、今の妻と付き合ってもらうために、1ヶ月くらいの間毎日妻にラブレターを書いたんですね。そのラブレターで、「僕はいずれすごい作家になるから、あなたが僕と一緒になれば、あなたは将来、貯金通帳の数字が増えていくのを見るだけの生活になる」って宣言したんです。

結局は、バーをやりながら書こうということになって、妻と2人でバーを始めたのですが、毎日忙しくて何にも書けなかったんですね。そしたら妻が、3年おきくらいに、「すごい作家になるんじゃなかったの? 何にも書いてないじゃない」って言うんです。

転機は東日本大震災でした。その頃のこと覚えていますか? 街から人が消えて、売り上げはおもいっきり下がって、どうしようってなったんです。当時Facebookでお店のページを作れるようになったころで、どれくらい宣伝になるかわからないけど、まずbar bossaのページを作ってみて、そこに毎日何かを書いて投稿することにしました。

最初はワインのことや音楽のことを書いていたのですが、全然「いいね」がつきませんでした。途中から考え方を変えて、恋愛のことや飲食店経営のことを書き始めたら、どんどん「いいね」やフォロワーが増えていきました。

note社の代表の加藤貞顕さんは20年くらい前からbar bossaの常連さんで、加藤さんがcakesを立ち上げてしばらくしたころ、突然「林さん、cakesで書きませんか?」って声をかけてくれたんです。とにかくその時期はお店の売り上げが低迷していたので、お金が必要で、「どういう記事を書いたら読まれるか」ということばかり考えて、夢中になって書いたのを覚えています。

このcakesのおかげで、僕の人生は本当に変わりました。書籍は7冊出しましたし、多くのメディアの取材や連載の話がたくさんきました。ほんと、cakesがなかったら今の僕はありません。

今、何かを書くにあたって大切にしている3つのこと
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林さんの小説が文庫化されました

ケイクス

この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

tenkindebotti 【最終回】あなたは今、おいくつですか?|林伸次 @bar_bossa | 8日前 replyretweetfavorite

datadisk_tokyo 最終回と聞くと寂しい気持ちになりますが、今後も続くようでまた楽しみです。いつか、お店にお酒を飲みに行けたらと思っています。【最終回】あなたは今、おいくつですか?|林伸次 @bar_bossa | 12日前 replyretweetfavorite

die_kuma 担当になった時33歳だった僕も、今年42歳になりました。本当にありがとうございました。 12日前 replyretweetfavorite

bar_bossa cakes、最終回です。今までありがとうございました。 【最終回】あなたは今、おいくつですか?|林伸次 @bar_bossa | 12日前 replyretweetfavorite