スープ・レッスン最終回。私のベスト・セレクション

今回で有賀さんの連載「スープ・レッスン」は最後の更新となります。6年間、読んでくださった皆さま、ありがとうございました。最終回は有賀さんが「おすすめのレシピはこれです」と迷わず答える、スープ・レッスンのベストセレクションをお届けします(※紹介した記事は、6/22まで無料公開中です)。最後に大事なお知らせもありますのでご覧ください。

こんにちは。いつも、スープ・レッスンをお読みくださってありがとうございます。

読者のみなさんはご存じの通り、cakesが8月でサービスを終えることになりました。それに伴い、150回続いてきたこの『スープ・レッスン』も今回が最終回となります。cakesクリエイターコンテストでの入賞をきっかけに2016年から連載を始め、6年間続けてきました(実はかっぴーさんやスイスイさんと同期です)。

スープ・レッスンは「旬の野菜をシンプルにおいしく食べる」をコンセプトに、季節の野菜のおいしさを信じた、驚くほど少ない食材と手順で作れるスープを作ってきました。

野菜はなるべく1種類。
過剰にうまみを増やすことはしない。
美しく見せるための飾りもスタイリングもしない。

そんな考えを貫いたレシピの中には、他の媒体だったら掲載させてもらえなかっただろうと思うレシピがいくつもありました。それだけに料理に本当に必要なことを思う存分追求できました。

だしもほとんど使わず手に入りにくい調味料や食材も使わず、シンプルで余白あるレシピは多くの方に面白がってもらいましたし、またご家庭で実際に作り、定番になったと声が寄せられたスープもたくさん生まれました。この連載が、50歳を過ぎてスープ作家としてデビューした私のレシピとして育っていきました。書籍化も実現し、おかげさまで版も重ねています。ひとえに、自由にやらせてくれたcakes編集部と、応援してくれたみなさんのおかげです。ありがとうございました。

今日は連載最終回ということで、これまでのレシピを振り返りたいと思います。「有賀さんがスープ・レッスンの中で特におすすめのレシピはどれですか?」と聞かれたときに、これですと迷わず答える、ベストセレクションです。

旬の野菜をとことん味わう「シンプルトマトのスープ」



連載中、累計で最も読まれたのは、初回のこのスープの話でした。

「おいしいトマトはミネストローネにしないでください」というタイトルで、いろいろな具材を加えずに、旬の野菜をなるべくシンプルに食べることの話をしています。旬の野菜を中心に作る、スープ・レッスンの最初にふさわしいスープだったと思います。

スープに向くトマトの選び方なども解説しました。トマトスープはおいしいトマトで作るべき、というのが私の考えで、赤く熟したトマトでぜひやってみてほしいのです。
https://cakes.mu/posts/13513

かたまり肉を豪快に使った「じゃがいもと塩豚のポトフ



最もプリミティブなスープといえば、ポトフです。かたまりの豚肉を塩豚にすると、やわらかくおいしく食べられます。煮込み時間こそかかりますが、仕込み時間は10分ぐらいで終わるので、家にいるならぜひやってほしい、スロー・スープです。

ポトフは具があれこれ入るイメージですが、私のポトフはじゃがいもだけ。そのことによって、じゃがいもの煮え具合に集中できます。野菜ひとつなら、かぶでもキャベツでもトマトでもよいのです。
https://cakes.mu/posts/14367

だしは昆布やかつおだけじゃない!「とろとろナスと麦茶の冷製スープ」

スープ・レッスンでは、だしをほとんど使わずに、肉や野菜のうまみで食べさせるスープが多かったです。そのままでは物足りないけれど、ちょっとした風味づけのテクニックや副素材の力を借りると、ぐんとおいしくなることがあります。

この麦茶のスープは連載当時もとても話題になったスープ。麦茶をだしがわりに使います。麦茶そのものは特にうまみが強いわけではなく、むしろ食べたときも麦茶が入っているかわからないぐらいなのに、すっきりとさわやかな後味なのです。だまされたと思って、ぜひやってみてくださいね。
https://cakes.mu/posts/17175

焼き色でスープにうまみをつける「焦がしキャベツのスープ」

だしいらずのスープ、もうひとつのテクニックは、食材に焦げ目をつけてから煮るということ。この、焦がしキャベツのスープは書籍『スープ・レッスン』の表紙にもなったスープです。肉は少しのベーコンだけですが、コンソメなど全く不要。キャベツの焼き目からうまみと香ばしさとおいしそうな色が出てきます。

キャベツを大ぶりに切って焼くことで一気にごちそう感が出ます。焼き色は少しやりすぎたかな、というぐらいまでしっかりつけるのがコツです。
https://cakes.mu/posts/20510

レンジでチャチャッと!「なめコンソメ」「ホット梅おろし」「シェントウジャン」

鍋を使わず、レンジのスープを作ることにも挑戦しました。試行錯誤の中でこれはなかなか良いと思ったものを3つ紹介します。忙しいみなさんの役に立ちますよう。

ひとつめは、なめこを洋風に食べる、その名もなめコンソメ。

なめこは味噌汁しか使わないという人も多いと思いますが、半分残ったらこんなコンソメ風のスープにするのもいいですよ。なめこから驚くほどのうまみが出ます。パセリを結構入れるのがポイントですが、青ネギなんかでもいいのです。
https://cakes.mu/posts/22796

もうひとつは大根のおいしい冬に作ってほしい、ホット梅おろし。

おろし大根に水を少しだけ加え、梅干しと一緒にレンジにかければできあがり。風邪ぎみのとき、二日酔いのときにめちゃめちゃ食べたいさっぱり味のスープです。
https://cakes.mu/posts/19127

そして、台湾の朝ごはんスープ、シェントウジャン(鹹豆漿)。

台湾旅行のあとで出したレシピです。台湾では朝食に豆乳(豆漿)を飲む習慣があり、屋台もたくさんあります。豆乳に、だしになるような食材を入れてあたため、酢を加えるとふるふるかたまって、何ともいえないやさしい味に、やみつきになる人続出でした。
https://cakes.mu/posts/15882

究極の青菜スープは蒸し煮がポイント「小松菜の塩蒸しスープ」

野菜不足の人が、一皿でたっぷり野菜を食べられるように、そして買った野菜がなるべく余らないようにと、なるべく野菜単品でレシピを作っています。この小松菜の塩スープも、案外食べにくい青菜がするりとお腹におさまるスープです。

野菜を蒸し煮してから、水を加えることで、野菜の青臭さやえぐみをおさえ、うまみを引き出すテクニックは、スープ・レッスンで何度も紹介してきました。材料の少なさにもご注目ください。
https://cakes.mu/posts/28932

シャキシャキだけじゃない!「くたくたほうれんそうのスープ」

小松菜スープの対極にあるのが、ほうれんそうをとことん煮込んだこのスープ。青菜を大量のオイルと水、塩で繊維が崩れるまで煮ることで、これまで味わったことのない深いうまみが生まれます。リピーター続出のおいしさです。
https://cakes.mu/posts/15193

今日のおかずにボリュームの一品「とうもろこしとスペアリブのスープ」

この一品があればあとはごはんやパンで大丈夫。そんなボリュームあるおかずスープもたくさん登場しました。その中で一番人気だったのが、とうもろこしとスペアリブのスープです。ぶつ切りにしたとうもろこしと骨付きのスペアリブをただ塩で煮るだけという簡単さと、肉ととうもろこしの食べ応え、スープの甘さおいしさなど、作ってくださった方たち絶賛でした。そろそろ、とうもろこしが出回る季節ですね。夏中楽しんでいただけます。
https://cakes.mu/posts/30894

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さて、駆け足でこの6年間を振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか。

スープ・レッスンでお伝えしたかったのは、私たちの暮らしの丈にあった豊かな食べ方、料理の楽しみ方でした。cakesでの連載が終わっても、そのメッセージは変わらず伝えていこうと思っています。

いままでの連載のバックナンバーはcakesのサービス終了とともにアクセスできなくなってしまうため、私のnoteにマガジンを作って移していくつもりです。なるべく早くスタートして、コンスタントに発表していくようにします。しばらくの間ご不便おかけしますが、今後もよろしくお願いします。ぜひnoteもフォローください。

有賀 薫|note
https://note.com/kaorun


さらに!

『スープ・レッスン3』にあたる書籍の制作に入っています。連載から厳選したスープのレシピに加え、日々作って食べたい、おうちの新定番となってもらえるようなスープのレシピをギュギュっと一冊にまとめた、最強レシピ版。秋に発売予定です。ご期待ください!

それではみなさん、これからも心と体にやさしいスープ・ライフを。

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スープ・レッスン


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スープ・レッスン

有賀薫

鍋ひとつ皿一枚で作って食べられる、簡単で失敗しにくく作り置きがきく、朝や夜遅くに食べても体に負担がかかりにくい……作る、食べる、両面において楽なスープは、忙しくて充実した食事がとれないと悩む人にぴったりの料理です。旬の野菜をたっぷり食...もっと読む

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コメント

sadaaki のスープがどれも思い出深いものばかり。ありがとうございました! 「スープ・レッスンでお伝えしたかったのは、私たちの暮らしの丈にあった豊かな食べ方、料理の楽しみ方でした」 https://t.co/zrZi4RE6CA 1日前 replyretweetfavorite

murder_the_time この連載は私にとって「スープを作り、食べること」だけではなく、「自炊=自分1人のためだけに食事を作り食べること」に対する考え方そのものを軽やかにしてくれるような、そんな連載でした。終わってしまうのが悲しいくらいに思い出深い連載。 https://t.co/O05FJKHwQ2 3日前 replyretweetfavorite

harni_mau どれもおいしそう( ´͈ `͈ ) 作ったのもいくつかあるな🍴 3日前 replyretweetfavorite

utu_no_usi |スープ・レッスン|有賀薫|cakes(ケイクス) 有賀先生のシンプルで滋味深いレシピ、大好きでした。ケイクスで一番好きな連載です https://t.co/vvU6DSU 7日前 replyretweetfavorite