菊池寛「新聞小説を書くことが、しみじみ嫌になる」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の近刊『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

30代、仕事にまつわる愚痴

菊池寛(小説家)

1888年-1948年。香川県出身の小説家、劇作家。本名は同じ字を書いて「ひろし」と読む。代表作に戯曲『父帰る』、小説『恩讐の彼方に』『藤十郎の恋』などがある。他にも日本文藝家協会を設立し、文筆家の福利厚生事業の増進などにも尽力した。

開き直りのような愚痴のオンパレード

『父帰る』などで有名な文学者・菊池寛には、『私の日常道徳』という道徳的と思われることに関する思いを箇条書きにした小文がある。その中に

「約束は必ず守りたい。人間が約束を守らなくなると社会生活は出来なくなるからだ。従って、私は人との約束は不可抗力の場合以外破ったことがない

という「約束」に関する項目がある。一見、立派なことが綴ってあるのだが、この文章には続きがあって、彼にも

「ただ、時々破る約束がある」

というのだ。何かというと、

「それは原稿執筆の約束だ」

と、なんと「時々破る」のは、仕事上の約束なのだと告げた後、

これだけは、どうも守り切れない

と、もはや開き直りともとれる愚痴を述べている。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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