「過去、人生の中でどうしても時間が必要な時期がありました。時間がいくらあっても足りない。そう感じていました。仕方がないので必然的に睡眠時間を削っていたんですが、私はそこまで体力がある方ではなく、もともと寝不足だとダメなタイプでしたので、それが原因で余計効率が落ちてしまう、そんな悪循環にハマっていました。
どうにかしなきゃ、そう思っていた矢先、知人の女性からあるバイトを紹介され私は働いてみることにしました。こう聞くと一見矛盾しているようですが、なんとそのバイトはバイト代として「お金」ではなく「時間」が支払われるバイトだったんです。
いったい彼女がどんなきっかけでそのバイトを知ったのかわかりません。ただ、確かにそのバイトは報酬として時間がもらえるバイトでした。
彼女から初めてそのバイトの話を聞いた時、私は彼女が私をからかっているのだと思いました。当然ですよね、報酬として時間をもらえるなんて信じろという方が無理です。世の中みんな、時間をお金に変えて生活しているわけですから。しかし彼女は報酬として、バイトにかけた時間より多くの時間をもらい、結果、自分の時間を増やせていると言い張ります。結局、わらにもすがりたかった私は半信半疑のまま、ダメもとでそのバイトの面接を受けに行くことにしました。