CDの売上が激減している今、なぜアナログレコードなのか?
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
いきなり質問ですが、アナログレコードってご存知ですか? ある年代以上の方は当然知っていると思いますが、最近はCDも触ったことがないという若い人も出てきているようです。
実は、今もアナログレコードは売れ続けています。ある調べによると、2021年のアナログレコードの売上は、前年比1.7倍くらいに伸びたそうです。どうしてこんなにアナログレコードが、いつまでも売れ続けているのでしょうか。
僕、1988年頃からCD、レコード屋で働いていたので、この動きはずっと現場で見ていました。僕が覚えている限り、最初はCDがそんなに普及するとは誰も思っていなかったんですね。すごく小さいし、プラスチックのケースに入っているし、なにより「ちょっと偽物」っぽい雰囲気があったんです。
それが、1986年辺りからCDに乗り換える人たちが増えてきました。CDラジカセが出てきて視聴環境が整ったこと、過去の入手困難だった洋楽アルバムが安く再発され、音楽ファンがそれに飛びつき始めたことを記憶しています。
そして90年代は、CDの黄金期になります。80年代はレコードを買うのって、「お金に余裕がある人の趣味」だったんです。自宅に安いレコードプレイヤーはあるんだけど、みんなレコードは買わなくて、友達からレコードを借りて、カセットテープにダビングしたり、FMから録音したカセットテープで音楽を聞いていました。
それが、CDが登場してからは、安いCDやレンタルCDが出てきたし、あるいは学生の部屋にも自分だけのCDラジカセを置けるくらいハードが安くなったりして、みんなが気軽に音楽を聞ける時代になったんです。その分、90年代は音楽業界がすごく潤いました。