変化するDJ KOO

今回の「ワダアキ考」は、5年ぶりにDJ KOOを取り上げます。流行っては消え、流行っては消えをとてつもないスピードで繰り返しているテレビの世界で、5年経ってもなんとなく出続けているDJ KOO。その立ち振舞いの変化について考えます。

「どんだけ~」「言うよね~」

IKKOは切羽詰まると、とにかくどんな言葉でも、語尾をのばして笑いに変えてしまう。先日、『5時に夢中!』に代演したはるな愛が、開口一番、「(番組に)来ちゃうよね~」と周囲を笑わせていた。誰かの発言を受け止めながら「言うよね~」と返すのが彼女の定型だったはずだったが、いつの間にか、自分の状態を説明するのにも使えるようになっている。IKKOの「どんだけ~」も、はるな愛の「言うよね~」も、当初は面白おかしい反応として受け止められていたのに、それが定着すると、もういかようにも変化させることができる。内容なんてどうでもよくなり、その光景というのか、その感じが面白くなってしまうのだ。

芸能人がたくさん集まる番組で繰り返されているのは「反応」。反応がものすごく早かったり、ものすごく遅かったりすると笑われ、その場が盛り上がる。無難な反応は採用されない。これまであまり知られていなかった人が、「何、この人、面白い!」と集団の中で瞬時に受け入れられるのは、反応が極端に早いか、極端に遅いかのいずれかであることが多い。IKKOもはるな愛も、出て来た当初と比べ、反応が遅れがちになっている。でもそれは意図的かもしれず、周囲が待望するタイミングよりも、ちょっとだけ遅れて「どんだけ~」「言うよね~」を繰り出すと、その場はたいそう盛り上がる。みなさんが知っているアレですが、本人にとっては、もうそんなに積極的ではないんです、と受け止められるのがいい。そして、「来ちゃうよね~」のように、従来の定型を崩していく。

ちゃんと聞く姿勢を持つようになった

この連載でTRFのDJ KOOを取り上げたのはもう5年も前になる。バラエティ番組に頻繁に出演し始めた彼は、とにかく勉強熱心で、出演する度にメモを残していた。自著『EZ DO LIFE!』にその一片が掲載されていたが、そこには「どんな小さなことでも人の話は最後までちゃんと聞く→相手の心の中にある思いをうけとめる ※話の途中で口をはさまない」とあった。しかしながら、音楽番組以外の番組で重宝されるようになった当時のDJ KOOの魅力といえば、決して人の話を最後まで聞かずに、話の途中で口をはさみ、食い気味にパーティーピーポーと化す速度にあった。

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武田砂鉄責任編集。多量記事で多角的に、「TBSラジオ」を物語る。

この連載について

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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