世阿弥「道すでに廃る時節か」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の近刊『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

30代、仕事にまつわる愚痴

世阿弥(能役者)

1363年?-1443年?。室町時代の能役者、能作者。幼名鬼夜叉、藤若、のち観世三郎元清。時の権力者である足利義満に認められ、その保護を受けて能を大成させた。能作品に『高砂』『井筒』など、芸論書に『風姿花伝』『花鏡』などがある。

芸のために生きた能役者

父・観阿弥とともに能を大成させた世阿弥。すぐれた能役者であり、数々の作品(台本)を書き上げてもいる。さらには、他者の芸のよいところなどを積極的に取り入れ、優美な歌舞中心の芸術として能を進化、発展させた功績は大きい。

それだけではない。『風姿花伝』『花鏡』などの芸論書を書き、後進へ芸の道を引き継ごうとした点も、世阿弥のすぐれたところである。

これらの芸論書の中には

初心忘るべからず

秘すれば花

などの名言も記されており、能の道を進む人だけでなく、一般の人の生き方にも通じる処世訓となっている。

そんな世阿弥の芸論書の中でも、最も有名な『風姿花伝(花伝書)』の中に、

道すでに廃る時節か

(この芸の道も、すでに廃れる時期に来ているのか!)

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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