60代、人間関係にまつわる愚痴
ガンディー(政治家)
1869年-1948年。インドの政治家、独立運動の指導者。イギリスで学び弁護士の資格を取得。南アフリカで人種差別反対運動に関わったのち、インドに帰国。「塩の行進」など、非暴力・不服従運動を展開した。「建国の父」とも呼ばれる。
偉大な指導者の怒りの矛先
インド独立運動の指導者ガンディー。俗に「マハトマ・ガンディー」と呼ばれるが、これは本名ではない。「マハトマ」とは、「偉大な魂」という尊称である。
「非暴力・不服従」を掲げ、22回も投獄されたにもかかわらず、インドの独立のために尽くし続けた彼は、国内外からいまなお、尊敬を集めている。
そんな彼が書いた小文の中に
「激しく憎悪しています」
という言葉が出てくる。およそ我々が抱くガンディーのイメージにそぐわない言葉のように思われるのだが、さて、彼は、誰に対して、なぜ憎悪の念を抱いたのだろうか?
彼が「激しく憎悪している」相手は、なんと、「日本人(日本国の人々)」なのである。引用の前後を記そう。
「あなた方(日本人)を敵視しているわけではありませんが、私はあなた方の中国に対する攻撃を激しく憎悪しています。あなた方は立派な高みから帝国の野望へと落ちてしまったのです」
『日本の全ての方々へ』と題されたこの小文が書かれたのは、1942年7月。第二次世界大戦の真っ最中である。