大量の花粉が飛び立つ映像
もう30年ほど過度の花粉症が続いているので、この時期になると口に出す文句は同じ。「こんなの治せるに決まっているのに、金儲けの手段がなくなるのが嫌だから放っておくんだ!」という根拠のない悪口。こう吐き続けているとどこからともなく人が近づいてきて、「〇〇茶が効くらしいよ」「〇〇さんは1本5万円の注射を打って治ったらしいよ」と言う。その真偽を確かめる前に鼻水が垂れてきて、ああ、この季節だなと覚悟を決める。
スギ林から大量の花粉が飛び立つ映像を用いる薬のCMは少なくなった。花粉症は気分では治らないが、気分で悪化はする。あれを見ると鼻が痒くなってくるという仲間たちは多い。CMというのは基本的に視聴者に寄り添おうとするものだが、あの映像はあまりにも挑発的。しかし、それはもちろん意図的な挑発であって、痒くなってドラッグストアに駆け込ませればそれでいいのである。
CM好感度ランキングの上位は携帯会社
CM総合研究所による昨年のCM好感度ランキングの上位は、軒並み携帯会社だ。1位から6位まで、au→Softbank→NTT DOCOMO→ワイモバイル→楽天モバイル→UQと続く。そのおおよそで複数の芸能人が登場し、その商品を紹介するのを一義とせずに、彼ら・彼女らが戯れる様子を定期的に映す。新たな登場人物が増えるたびにワイドショー等で報じられ、物語を作り出しながらブランディングを高めていく。この手のスマホのCMに出て、ファミリーの一員になりたがる芸能人は多いはず。