20. 受験に臨む人に勧めたい本
「仁勢物語」
作者未詳 (『假名草子集』〈日本古典文學大系 90 〉所収、岩波書店、一九六五年)
効く一言
をかし、男、頬被りして、奈良の京
春日の里へ、酒飮みに行きけり。
受験生は本を読まずに勉強しろー! と言いたくなりますが、まあ、そうは言っても意外と余裕のある受験生は本を読むものなのか……と私は大学に入って知りました。都会の進学校の生徒さんとかね。うらやましい。私は大学受験生のとき、小説断ちをして、読んだのは坂口安吾の『堕落論』と恩田陸の『チョコレートコスモス』だけだったという思い出があるぞ! その二冊は面白すぎてうっかり読んじゃったけど!
でもまあ受験と一概に言っても、社会人になってからの試験とか趣味でとる資格とかもあるし、そんな方々みんなに処方したいのは、ハイ、「仁勢物語」です !!
……って言ったところでこの面白おかしい江戸物語を知らん人のほうが多いやろけど。
ちくしょう。私が広めたい。広まらないなら広めてやるぜ、ホトトギス。