60代、人間関係にまつわる愚痴
ソクラテス(哲学者)
前470年?-前399年。古代ギリシャの哲学者。アテネ生まれ。問答法によって相手に無知を自覚させようとした哲学者。著書はなく、彼の思想や言行は、弟子プラトンやクセノフォンの残したものを通して伝わっているのみである。
誰からも理解されることのない天才の苦悩
紀元前4〜5世紀の古代ギリシャの哲学者として有名なソクラテス。弟子の一人には、プラトンがいる。彼らが活躍していたのは、日本が縄文時代から弥生時代へと移り変わろうとしていた時期である。
多くの市民や哲学者から尊敬を集めていたはずの彼は、ある時、
「自分が憎まれているということは、わかっていた」
と語っている。どうして彼ほどの人物が「憎まれて」いたのだろうか?
その理由の一つには、彼の思想の伝え方にあったともされる。彼は著書などは残さず、街に出て青年たちなどを相手に質問を中心とした会話をすることで、その哲学を説こうとした。たとえば、
「善とは何か」
「勇気とは何か」
といった根本的な問いかけを行う。やがて、答えに窮した人々に「無知を自覚させる(無知の知)」というのが、彼のやり方である。