みんながSNSを使ったりGoogleで検索しているわけではない

東京・渋谷でバーを経営する林伸次さん。新型コロナウイルスが流行しだしてから、明らかに減ったタイプのお客様がいるそうです。それはどういったタイプの人達なのでしょうか?

昔のお店にマッチがあった理由

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

bar bossaは1997年に開店したのですが、当初、年配のお客様からたまに、「このお店のマッチある?」って聞かれたんですね。若い方、わかりますか? お店のマッチ。

昔、喫茶店やバーやレストランは、そのお店のロゴと地図と電話番号が入ったマッチを作り、レジの横に置いて、お客様に無料で持って帰ってもらっていたんです。

時々テレビで昔の映像が流れると気がつくと思うのですが、昔の人たちってみんな煙草を吸っていたんですね。特に喫茶店やバーやレストランなんかを利用するようなタイプの人たちは、ほぼ全員が吸ってたんです。大げさじゃないです。

煙草を吸うためには火が必要だから、それらの店にはマッチが置いてあるんです。そのマッチをもらってもすぐには使い切れないので、店を出てからもしばらく持ち歩くのですが、友達に会ったときに「この店、すごく良いよ。今度行ってみたら」って渡したり、あるいは、「あのレストランの予約しようかな」と思った時にマッチに書いてある番号を見て電話をかけていたというわけです。

同じような話で、お店のロゴと電話番号入りのライターというのもありました。若い方、ご存知ですか?「スナック 絵里子 ***-****」って電話番号が印字された100円ライター。それをポケットに入れて持ち歩いて、「そうだ。今日、絵里子に行こうかな。あの子もお店出てるか、電話して聞いてみよう」なんて時に、そのライターの電話番号を見て、電話したというわけです。

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林さんの小説が文庫化されました

ケイクス

この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

miturugireizi #スマートニュース 3ヶ月前 replyretweetfavorite

Kiyoshileo それはまぁそうだけど… → 3ヶ月前 replyretweetfavorite

datadisk_tokyo そう言われると確かに。検索してない人多い気がする。 3ヶ月前 replyretweetfavorite