聖徳太子「乏しき者の訴は、水をもて石に投ぐるに似たり」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の近刊『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

30代、仕事にまつわる愚痴

聖徳太子(政治家)

574年-622年。飛鳥時代の皇族、政治家。用明天皇の皇子。厩戸皇子、豊聡耳皇子、上宮王ともいう。推古天皇の摂政として政治を行い、仏教興隆などに功績を挙げた。昭和時代には一万円札、五千円札の肖像としてもおなじみだった。

賄賂の横行について不満を書き綴る

「生まれながらに上手に言葉をしゃべり、長じては一度に十人の訴えを聞いて誤ることなく上手に裁いた」

とされる聖徳太子。19歳で叔母に当たる推古天皇の皇太子、摂政となり、天皇の政治を助けたとされている。

そんな彼が、30歳の年に発布したとされる「憲法十七条」には、こんな一節が登場する。

「頃、訟を治むる者、利を得て常とし、賄を見ては讞すを聴く。便ち財あるものが訴は、石をもて水に投ぐるが如し。乏しき者の訴は、水をもて石に投ぐるに似たり」

(最近の訴訟を担当をする人たちは、利益を得ることを日常とし、賄賂の内容を見て裁判を行っている。そのため、金持ちの訴えは、石を水に投げるようにすぐに効果が表れる[訴えが聞き届けられる]のに、貧乏人の訴えは、水を石に投げるようなものでなんの効果も表れない[訴えは聞き届けられない])

つまり、賄賂の量などによって訴訟が決まってしまうので、貧乏人には、著しく不利な状況になっている、と現状の訴訟制度に対する不満を述べているのだ。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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コメント

komatunoudon 多額の税金を納めるか、税金を管理する側の人間の意見しか通らないって事だね!昔から! https://t.co/6KNhemNAT4 2ヶ月前 replyretweetfavorite

komatunoudon 今も昔もかわんねぇーじゃん?https://t.co/6KNhemNAT4 2ヶ月前 replyretweetfavorite

setagaya121 #スマートニュース 3ヶ月前 replyretweetfavorite