萩原朔太郎「昔から『人嫌い』『交際嫌い』で通って居た」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の近刊『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

50代、人間関係にまつわる愚痴

萩原朔太郎(詩人)

1886年-1942年。群馬県出身の詩人。27歳の年に北原白秋主宰の『朱欒』に6編の詩が掲載され詩壇デビュー。31歳で処女詩集『月に吠える』を出し、注目を集める。他に『青猫』『純情小曲集』『氷島』などを刊行している。

強迫観念に悩まされ続けた詩人の苦悩

「まっくろけの猫が二疋、

 なやましいよるの家根のうえで、

 ぴんとたてた尻尾のさきから、

 糸のようなみかづきがかすんでいる。

『おわあ、こんばんは』

『おわあ、こんばんは』

『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』

『おわああ、ここの家の主人は病気です』」

これは萩原朔太郎の処女詩集『月に吠える』の中にある「猫」という詩である。

一読して、意味はわかりづらいが、とんでもない個性がうかがえる。

そんな萩原は、50歳の年に記した『僕の孤独癖について』という随筆の中で

僕は昔から「人嫌い」「交際嫌い」で通って居た

と書いている。そして、「人嫌い」になった理由として、「比較的良家に生れ、子供の時に甘やかされて育った為に、他人との社交について、自己を抑制することができな」かったことを挙げ、そのため「小学生時代から仲間の子供とちがって居たので、学校では一人だけ除け物にされ」たという。いわゆる、いじめだ。

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人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

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sabochin 『ここの家の主人は病気です』だけ真顔で言ってるように脳内再生されてンフフwwってなった 3ヶ月前 replyretweetfavorite