江戸川乱歩「私はなんでも初めよし後悪し、竜頭蛇尾の性格だ」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の近刊『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

60代、仕事にまつわる愚痴

江戸川乱歩(小説家)


1894年-1965年。三重県の生まれ。本名、平井太郎。筆名は「エドガー・アラン・ポー」をもじったもの。『蜘蛛男』『黒蜥蜴』『怪人二十面相』など約130の作品を発表。本人の寄付を基金として「江戸川乱歩賞」も創設されている。

飽き性だった作家の苦労

日本の推理小説、探偵小説の先駆けともいわれる江戸川乱歩。その彼が自分のことを

なんでも初めよし後悪し、竜頭蛇尾の性格

だったと愚痴を漏らしている。この一文には続きがあり

「昔やった職業でも、入社匇々は大いに好評を博するのだが、慣れるにしたがって、駄目になってしまう。飽き性というのであろう

とした後で

「小説でも同じことで、大した苦労もせず、処女作が好評を博し」たものの「すぐに行きつまり」、その後、「大部数発行の娯楽雑誌に書いてみると、これがまた大当り、しかしそれも結局は竜頭蛇尾」だった、と述べているのだ。

この乱歩の述懐は、自嘲気味でも、オーバーでもなく、かなり的を射た表現だといえる。

この続きは有料会員の方のみ
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン
なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

初回を読む
なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません