スタンダール「自分が醜すぎる!」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の近刊『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

20代、恋愛にまつわる愚痴

スタンダール(小説家)

1783年-1842年。本名、マリー=アンリ=ベール。小説『赤と黒』『パルムの僧院』や評論『恋愛論』などの傑作を残した作家として有名。文筆活動のほかに、ナポレオンのイタリア遠征に従軍したほか、イタリア領事などにもなっている。

異性への愛が叶わないコンプレックス

『赤と黒』などの小説で有名なスタンダールは、実は生涯、さまざまなコンプレックスに悩まされていた人物だった。

裕福なブルジョア家庭に生まれたスタンダールだったが、第一のコンプレックスは、その容姿にあった。肥満気味で決して美少年といえる容貌ではなかったのだ。

また、スタンダールは幼少期から自分の母を熱烈に愛し、その反面、父親を猛烈に憎んでいた。典型的な「エディプスコンプレックス」である。

スタンダールが、父を憎んだ理由の一つに、父の容姿が醜かったことが挙げられる。そして、自分の醜さは、その父譲りのものだと知ったことが、彼の心に二重の意味でコンプレックスを植え付けたのである。

一方、愛しき母はスタンダールが7歳の時に亡くなってしまう。彼が初めて愛した異性は、永遠に帰らぬ人となってしまったのだ。こうして、異性への愛が叶わぬというコンプレックスが、盛大に幕を開けたのである。

「自分は醜い」と自覚していたスタンダールだったが、人一倍女性に恋をした。ある時は女優に、ある時は未亡人に、ある時は親戚であり恩人でもあった人の妻に、許されざる恋をした。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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