13. 初めてのデートに備えて読みたい本
『恋愛論 完全版』
橋本治( 文庫ぎんが堂、二〇一四年)
効く一言
人間であることを切り離されちゃった天使は人間に憧れるし、不自由である人間は、人間であることを超えてる天使に憧れるの。男と女の基本的関係はこれなの。だから、うまく行かないの。お互いがお互いのこと知らないんだから。
ううーん。もし自分に娘や息子がいて、デート前日にそわそわしていたら、何の本をすすめるべきであろーか。
そんな妄想を繰り広げてみれば、やっぱり思いつくのはあの本しかないんじゃないですかね。
「ねーおかーさん、ちょっと気になる子に誘われちゃったんだけどさ、行くべきかなあ? ってもう行くって返事しちゃったんだけど、でもなんか行きたくなくなっちゃったんだよねぇ……めんどくさくなっちゃった……」とかぶつくさ述べ始めたときに(以下、三宅家劇場台詞)。
「ま、暇なら行っとけば? のちのちの飲み会のネタになるかもよ」「私はお母さんみたいに恋愛の話を飲み会のネタになんかしないもん」「ああもうめんどくさいことを言う子ね、そんなあなたはこれを読んどきなさい!」と手渡す本を考えたわけですよ。
で、やっぱりそこは、亡き大作家・橋本治さんの『恋愛論』が適切ではないでしょうか。
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