わかる日本書紀

百済在住の知勇兼ね備えたニチラくん、来日【第30代④】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第4巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第30代、敏達天皇の御代のお話(提供元:西日本出版社)。

ニチラ暗殺①

敏達十二年七月一日、敏達天皇は側近の臣下にこう言いました。
「亡き父、先帝・欽明天皇の御代に、新羅は任那にある日本の直轄領を滅ぼした。父は任那の再興をはかったが果たせないまま亡くなり、その志は成就しなかった。
これから私は父の遺言を引き継いで、任那を復興しようと思う。聞くところによると、百済にいる火葦北国造(ひのあしきたのくにのみやつこ)アリシト(阿利斯登)※1の子で達率(だちそち)ニチラ(日羅)※2は、賢くて勇気があるそうだ。
私は、そのニチラと共に任那再興の計略を立てようと思う」

天皇は、ニチラを召喚するために、紀国造(きのくにのみやつこ)オシカツ(押勝)と吉備海部(きびのあまの)ハシマ(羽島)※3を百済に遣わしました。

十月、オシカツらが百済から帰国し天皇に報告しました。
「百済王はニチラを手放すことを惜しんで、日本に来るのを承諾しませんでした」
そこで天皇はこの年、ハシマ直を百済に遣わして再度ニチラを召喚しました。

ハシマ直は百済に行って、まず下調べに秘かにニチラという人物を観察しようと、ひとりでニチラの家の門前に出かけて行きました。まもなく家の裏から韓人の婦人が出てきて言いました。
「お前の根を、私の根の内に入れよ」

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わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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